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【卒業生近況】第22号 平成22年3月15日 副校長 高木 義則

 宗 教 の 柱

6年生が、いよいよ明日卒業します。本校の特徴の一つでもありますが、子ども達の縦のつながりが強く、高学年の子達は本当によく低学年の子達のお世話をします。小さな1年生が大きなお兄さん、お姉さんにくっついて楽しそうにしている姿は微笑ましいものです。そんな1年生と6年生の最後の交流が11日にありました。一緒に歌を歌い、お弁当を食べ、プレゼント交換をしたそうです。小さな後輩たちからのプレゼントに涙をこぼした6年生も数名いたそうです。
12日の金曜日には感謝のミサが老司教会で行われました。私も初めての体験でしたが、感動的でした。お祈りし聖歌を歌い、最後に神父さまから一人ひとり祝福を受け、おメダイを頂戴しました。子ども達は緊張の面持ちで参加しましたが、このような大きな見えざる力に包まれて、巣立ち・旅立ちを迎える体験は将来に渡って大きな力になるものと、この子達が羨ましくも思えました。
 4年ほど前に名古屋で研修大会が開催され、私も参加しました。その折のシンポジウムで山折哲夫氏(今、最も著名な宗教学者であり文化人類学者)のお話を伺いました。その中で心に残っているのは、次のことばです。
「人間は放っておくと、野生化する動物である。人間を野生化から守り、ルール、マナーを教えてきたものは、歴史的に見て四つある。それは、軍隊、宗教、スポーツ、学校である。その中で、軍隊は論外として、日本では宗教教育は行っていない。スポーツは極めて商業化し、その力を失   

った。もともと、四本の柱で支えていたものを、現代は学校という一本の柱で支えている。これは、極めて無理な話である。」 しかし、本校には宗教の大きな柱があり、これに家庭という大きな柱、この三本の柱で子ども達を支えていることとなります。幸せなことですね。
校友会誌「ひかり」の随想の中で紹介しました私の千葉の親友は、教育委員会から校長として中学校に戻って、様々な取組を始めました。その中の一つに、修学旅行があります。修学という名の観光旅行を学びの場にしようとした彼は、何と比叡山延暦寺の管主様を訪ね、その本堂を修学旅行の際の集会に貸して欲しいとお願いしたそうです。延暦寺の本堂は国宝になっていて、「これを傷つけると大変なことになりますよ」と言われた彼は、「本校にはそんな生徒はいません」と断言し、実施に至りました。以後、毎年彼の学校の生徒達は修学旅行の一夜・ひと時を、真っ暗な延暦寺の本堂で過ごし、そこで互いに自分の夢・想いを大声で語り多くの生徒が涙すると聞きました。最初は心配していた管主様も、その生徒達の姿に感動し、今はその学校の生徒たちの訪問を心待ちにしてくれているそうです。これもまた宗教という大きな柱が子ども達にとって、いかに大切なものであるかを物語るものだと感じます。
2月20日の学芸会で6年生が演じた「西坂の丘で 26の十字架」も見事でした。子ども達は、先生と共に脚本作りから取り組み、登場人物の心を考え抜き演じ切りました。私も見ていて目頭が熱くなりました。学生時代? 遠藤周作の「沈黙」が映画化され、「受難の信徒に対して、神は何故沈黙なさるのか?」という重いテーマだったと記憶しています。本校の6年生のこの宗教劇を見ていて、その答えのヒントを得たように思えました。明日、本校を巣立つ33名の子ども達が、これからもこの大きな力に包まれて成長していくであろうことを心から願っています。
最後に、6年生から、卒業記念品として、ステンドグラス「ぶどうの木」をご贈呈頂きました。小学校玄関に設置しております。是非ご覧ください。
本当にありがとうございました。