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【小学校-校長室から】Stay Home ~食を考える~

                                                   教 頭 松本 裕子

 新型コロナウイルス感染拡大蔓延に伴う「緊急事態宣言」から2か月。学校でも臨時休校が延長されました。
しかし、市民の協力的な自粛生活の結果、少しずつ感染者数が減少。福岡県は「特定警戒都道府県」に指定されていましたが、そのことが解除されました。それに伴って、県立学校も分散登校から段階的に学校再開が始まるようです。
本校では、今週から分散登校が始まりました。
1日1学年ずつの午前中登校です。学校では、3密にならないよう、教室ではなく2階のフランシスコホールに子どもたちの机を間隔をあけて準備しました。18日からの分散登校では、学年を2クラスに分けて学習を行っていきます。
また、登下校時の児童玄関も子どもたちの人数を制限しました。手洗いと消毒は子どもたちに声かけをして、こま目に行います。学校における「新しい生活様式」です。遊ぶときも友だちとの間隔をあけて・・・。なかなか難しい課題です。
学年によっては、「だるまさんがころんだ」や俳句作りなど、「密」を避ける工夫をして遊びました。
 久しぶりに会う子どもたちは、最初は笑顔の中にも緊張が見られました。
しかし、帰る頃になると「楽しかった。」と満足の笑み。
私たちも肩の荷がひとつ下りた感じです。
 さて、「Stay Home」中、私も日頃に比べて、時間のゆとりができました。飯塚に住んでいる叔母からたくさんのフキが送られて来ましたので、早速、フキの皮を剥きました。
フキは灰汁が強いため手が真っ黒になります。全部の皮を剥き終わるのに40分ほどかかりました。それから、食べやすい長さに切り、味つけをします。味つけは、母の味を思い出しながら行い、お鍋いっぱいにフキの煮物が出来上がりました。
母の味でした。やっぱり時間をかけて作った料理はおいしいと感じながら、母の手間暇かけて作っていた姿が目に浮かびました。
 昨今、「おふくろの味」が「お袋の味」と揶揄させます。
レストラン等の営業自粛に伴い、テイクアウトやコンビニ総菜、冷凍食品が人気です。レンジで“チン”。子どもたちの「おふくろの味」は、何なのでしょうか。我が子にも問いかける自信がありません。
 「食」の字は、「人に良い」と書きます。人間の生命を維持していくものに必要不可欠なものは「空気」「水」「食」です。
毎日、私たちの口に入るものですから、神経を使わなければなりません。
体を建物に置き換えて考えますと、安いべニア板を使った建物は、すぐに壊れてしまいます。しかし、少し値段が高くても丈夫な杉や檜を使った建物は、長持ちをします。その材料となるものは「食」です。これは、高価な食材が良いと言うのではなく、季節の旬の食材が理にかなっているということです。今は、食材が季節感なく売場に並んでいますが、春の筍やフキ、菜の花には苦味があります。この苦味には、体の毒素を出してくれる働きがあります。春は新しい環境での生活で体が疲れます。吹出物ができやすい季節です。だから、この食材が適しているのです。夏の野菜には、体を冷やす働きがあります。トマトやキュウリなどです。
 また、食材を保存するための先人の知恵があります。塩や乾燥、燻製を用いた加工技術です。食品の腐敗から学んだカビや細菌、酵母があります。しかし、これらは時間や手間がかかります。そこで私たちは、化学的に保存料(食品添加物)を作り出しました。これには、厚生労働省の安全基準に定められた量があります。健康を損なわない基準量です。あくまでも、ひとつの食材に対しての量です。つまり、添加物が入った食材を何品か食べると、基準量は遥に超えます。大きな落とし穴です。化学的に作られた添加物は、体の中に蓄積されていきます。今の時代、無添加の食材で一生を送ることなど不可能に近いと思います。では、どのようにしたらよいのでしょうか。ここで、「食物繊維」の出番です。海藻類や根菜類などの繊維の多い食材が、体の中の掃除をしてくれます。
 こうして考えてみると、神さまは私たちの生命を維持していくためのものを計画的に備えてくださっているのだと感じます。
 新型コロナウイルス感染拡大蔓延の予防として、毎朝、検温をお願いしておりますが、子どもたちの体温が低いのが大変気になります。