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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第6号 平成21年6月18日 副校長 高木 義則

授業の楽しさ、育てる喜び

  今、学校では授業研究の真っただ中です。わかる・できる、そして楽しい授業の創造は、私たち教師にとっては永遠の課題であり、夢でもあります。その夢の実現のために多くの書物を読み、このような授業研究を通して、互いに切磋琢磨していきます。本校では、本年度十月に九州地区教員研修会の会場校となっていることもあり、先生方のその想いは特に強いものがあります。国語、社会、算数、理科、生活、音楽、図工、体育、英語の各教科で「ポートフォリオ」を用いて「聴き合い活動」を行うことにより、お互いを認め合うことができる子どもを育てることを目指しています。前回は平成14年度にやはり会場校になり、授業を公開したと聞いています。現在、この九州地区教員研修会の加盟校は13校です。7・8年に一度は必ず会場校となり授業を公開し、他校の先生方の評価を受け続けている姿に、本校の先生方の熱意と意欲が見えてきます。このような研究活動の苦労は、もちろん大きいですが、もどってくる喜びもまた大きいものです。
私の赴任した最初の学校は、伝統的に理科を研究している学校でした。理科は苦手な私でしたが、先輩の先生に理科の大家がおり、何度もその先生の自宅に呼んでいただき、夜を徹して、理科の授業のことを教えていただきました。そして、その学校の4年目に行った研究発表会で、初めて他校の先生の前で6年の理科の授業を公開しました。とても緊張し、舵取りに失敗した授業でした。しかし、学習中・実験中に子ども達の感動の声がたくさん聞こえたこと。

そして、授業が終わった後、私のまわりに集まって私を励ましてくれた子たちの言葉と表情が今も心に残っています。もっと勉強しなければという強い想いと共に・・・。
初めて受け持った3年生の算数の授業では、「先生、どうして直角は90度なの?100度だったら簡単なのに。」と質問されました。これには困りました。いろいろ調べたのですがなかなか答えが分からず、この素直な疑問に答えられたのは半年後でした。この答の背景にはメソポタミア文明の偉大な歴史が隠れていました。その話をした時の子ども達の驚きの表情と、質問した子の嬉しそうな顔は、私にとっても嬉しい思い出、宝となりました。
20年ほど前には、少し荒れ始めていた6年生の学級で途中からピンチヒッターの担任となりました。その折、社会科で江戸末期を学習した時のことです。その学習の最後に、その時代を「中心のことば」として一言で表現させる授業を公開しました。子ども達は、それぞれ「焼け跡から新しい芽が出てくる時代」や「さなぎが蝶へと変わる時代」などとまとめ、その理由をクラスの仲間に分かってもらおうと身振り・手振りをまじえ懸命に説明していました。その子ども達の姿が、今も忘れられません。本当にかわいいなと心から思えました。
その時々で、様々な教科の中で、子ども達と共に、そして子ども達に学んだことが次々と浮かんできます。担任から外れ20年にもなる私にとっては、子ども達と共につくる授業の楽しさ、そして、その成長した姿を実感する喜びは過去のもの、思い出となってしまいました。しかし、本校の先生方にとっては、今まさにその過程にあります。そんな先生方のことが少しうらやましく思います。
後に続く先生方の、授業と子ども達へ向ける想いを大切にし、先生方が思いっきり授業・研究に没頭でき、子どもを育てる喜びを満喫できる環境を作っていくこと。それが、私たち先を行った者の務めだと思っています。そんな意味からも、本年度は父母の会役員の方々にもご理解いただき、バザー等でのご来校を少しご遠慮いただくようにご協力いただいております。どうぞ、ご理解ください。