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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】AIの時代に 校長 山田 耕司

○ 子どもたちが大人になる頃、日本はさらに人口減少が進み、企業の活動や社会生活のあらゆる面で外国人労働者とAI(人工知能)に頼るデジタル化とグローバル化が進む国になると予測されています。このままではAIや外国人労働者に職を奪われ希望する職業に就けない若者と、一方AIを使いこなし莫大な富を得る若者、生きがいを得る若者が登場します。
 AIを使いこなすには「読解力」が大切だと言われます。これまでの研究でAIの能力で最も弱い部分が「読解力」だと判明しています。同時に全国学力調査(小6・中3)で読書習慣不足、「読解力」不足が顕著なことが判明しました。

○ 算数の学習で小学3年生になりますと、「算数嫌い」が増加します。「計算問題は楽しいけれど文章題は苦手、嫌い」と子どもは言います。文章は読めるけど、文章を正確に理解する力が不十分なのです。
 新聞社と協力して「NIE教育」に熱心に取り組む学校があります。NIE(Newspaper in Education)は、学校で新聞を教材として活用することです。1930年代にアメリカで始まり、日本では85年、静岡で開かれた新聞大会で提唱されました。その後、教育界と新聞界が協力し、社会性豊かな青少年の育成や活字文化と民主主義社会の発展などを目的に掲げて、全国で展開しています。この教育は新聞に書かれた事実を正確に理解する力を醸成することができますから「読解力」の涵養に役立ちます。小学1年生から新聞に親しませましょう。

○ AIに職を奪われないためには、文書やメールを読んできちんと実行できる「読解力」を身につける必要があります。論理性や構成力の基礎が「読解力」です。その上に創造力(アイディア)が宿ります。
 「読解力」を醸成するためにご家庭で実行していただきたいことがあります。
 国語の宿題で「本読み5回」が出ました。子どもは「お母さん聞いて」と大きな声で読みます。読み終えました。「どう」得意そうに評価を求めます。そこで「大きな声でとてもよかったよ」とほめていただいた後に、「そのとき主人公のごんはどんな気持ちだったと思う」と聴いてください。「なるほど。Bちゃんはそう考えたんだね」(文中のことばを手がかりにことばを根拠に自分の考えを伝えることができる子ども)。この継続が子どもを育てます。

○ AI時代にこれからの求められる大学像も大きく変わります。このほど、英国の教育専門誌が「世界大学ランキング日本版2019」を発表しました。
教育リソース(資産・資源)・教育充実度・教育成果・国際性の4点から評価しています。
「総合」で1位京大2位東大3位東北大4位九大5位北大。
「教育リソース」で1位東大2位東京医科歯科大3位京大4位東北大5位浜松医科大(静岡)。
「教育充実度」で1位国際教養大(秋田)2位国際基督教大3位筑波大4位上智大5位立命館APU大(大分)。
「教育成果」で1位京大2位東大3位九大4位阪大5位慶応。
「国際性」で1位国際教養大2位国際基督教大3位立命館APU大と報告されました。
 これは「研究大学」と「教育大学」を総合しての評価です。
 大学の規模や国公私立にかかわらず教員との交流・協働学習・批判的思考・学びの関連づけ・社会との接続など、大学の「学びの改革」が急速に進んでいます。小中高での「主体的・対話的で深い学び」に育てられた青年に準備される新しい大学の姿です。外国人教師・スタッフや留学生の数は増加の一途です。将来の大学・職業選択にこれらの視点も欠かせません。

○ 海星小では、このようなAI社会への動きに対応して、本年度から4年生~6年生を対象に4グループに分かれ「マリアンタイム」を始めました。
「英会話」では中2のテキストを使い練習を重ねて外部のスピーチコンテストに参加します。「合唱」ではNHK合唱コンクールに出場します。「ICT」ではプログラミング学習を楽しみます。そのうちロボット遊びにも挑戦します。「読書」ではさまざまな読書体験をし「読解力」も醸成します。ご家庭ではどうなさいますか。