FC2ブログ
  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第4号 平成21年5月21日 副校長 高木 義則

ガイアの森から

 本校に赴任し、一月半になります。子ども達は今、FSD(ファミリースポーツデー)の練習の真っただ中。例年より気温の低い日が多いとはいえ、初夏の日差しの中での練習、さぞや疲れが… ところが北の運動場では高学年の子が昼休み返上で、先生方と一生懸命に練習する姿が。南の運動場に行ってみると、たくさんの低学年の子ども達が元気に活動していました。お花の苗に水をやっている子、固定遊具で自分の技を見せあっている子、楽しそうに飼育小屋のチャボを見つめている子、ブリッジバランサーやクライムアップなどのアスレチックで遊ぶ子、友達とモンシロチョウを追う子、様々です。そして何よりもガイアの森の坂道を駈け上がっていく子達の姿が印象的でした。
私の教師としてのスタートは千葉の流山というところでしたが、夜、クラスの子ども達とカブトムシやクワガタを取りに行ったこと、休みの日には一緒に江戸川でハゼを釣ったことなどが思い出深く心に残っています。今はもう子ども達とそんなことをすることが本当に難しい時代となってしまいました。また、学生時代陸上部に所属していた私は、すぐに陸上部の顧問になり、それから10年間は夢中で指導しました。その後小体研(小学校体育研究会)に所属し、体育の授業の研究をしてきました。そんな中で不思議に思うこと、残念に思うことがありました。それは、例えば、低学年の体育で川跳び遊びをします。運動場に川のような二本の線を引き、狭いところ・広い個所を作り、
「さあ、川に落ちないように向こう岸まで跳ぼう」とい
うものです。私も一度子ども達とやりました。子ども達は一生懸命やってくれるのですが、私はむなしい気がしました。昔は(私が子どもの頃)結構身近に小川があって、自然に川跳びをやっていました。失敗して靴が濡れ、べそをかいた体験などが心のどこかになつかしく残っています。授業を進めながら、こんな「ごっこ」ではなくて、本当に小川を跳ばせてあげたいと強く想いました。開脚前転の指導では、どうしても膝が伸びない子がいて指導に悩んだ時、先輩に「親指で土を掴む感覚が足りないから」と指摘されました。これもこの運動をマットの上でやるので難しいのだと知りました。柔らかい土の上、砂の上でこの運動すると、子ども達は自然に親指で土を掴む感覚を身につけると教えられました。でも、安全面を考えるとどうしてもマットが適当ということになってしまいます。走り高跳びは、もともと原野の中にある障害物(柵)を片手をついて跳び越えたことから起こったと聞いています。もともと自然の中の動きから起こったスポーツ・運動がどんどん自然から離れていくことをとても残念に思います。
 子ども達の体力低下はもうこれ以上落ちないと言われるほどに落ちてきているそうですが、学校体育の中では安全面を考えると、鍛える体育はできにくくなっています。そんな流れの中でマラソン大会を実施する学校はほとんどなくなりました。若い頃、毎日朝から夕方まで夢中で子ども達と共に走り、鍛える体育を実践していた私にはとても寂しいことです。そんな想いから前任校では「親父の会」に働きかけ、学校主催でないマラソン大会を起こしてもらいました。その大会は今では200人を超える参加者がいると聞いています。求めている人は多くいるのです。
 ガイアの森を、喜々として元気に駆け上がっていく小さな子ども達を見ていて、小さな怪我はあっても、自然の中での体験を大切にする本校の校風はとても素晴らしいなと、そして勇気があるなと感心しました。そして、そんな本校の校風・取組を支持し、見守ってくださる多くの保護者の方がいることを本当にすばらしいことだと思います。そう言えば、本校ではマラソン大会も実施しているようです。これもまた素敵なことです。