福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】子どもたちの通学路 校長 山田耕司

○ 本校の図書館に1冊の写真絵本があります。ご来校の折、どうぞ手にとってご覧下さい。世界のあちこちの子どもたちの登校の様子が写し出されております。本当に世界には色々な国や地方があり子どもたちが生活をしています。
 子どもたちの通学路は様々です。遠い道のりをどんな苦労も厭わないで子どもたちは進みます。子どもにとってそれほど学校は魅力的な存在なのです。
 子どもが貴重な労働力として重要視されている国がまだまだあります。1950年代の日本は、戦後の復興期、食糧を増産するために北海道をはじめ各地で開拓が盛んでした。ブラジルをはじめ海外にまで農業移住をする人々もいました。家業の農業や漁業の一端を担うために学校を休まざるを得ない子どもたちが多数いました。学校に行けば友達と遊べる。未知のことを先生から学べ夢を育むことができる。その時間だけは子守りや家業から解放される。本が読める。楽しい時間です。
写真絵本の中の子どもたちの顔が眼がきらきらと輝いて見えます。                 

○ 子どもたちに夢を育む通学路で悲しい出来事が新潟市で再び起こりました。全国的に危機管理の声が強まっています。
「地域で子どもたちを守ろう」と。確かに福岡市でも地域の自治協議会・子ども育成会・老人クラブ・民生委員児童委員・PTA・学校等が総力を挙げ連携して臨んでいます。しかし、交通事故も幼児児童対象犯罪事件もいっこうに減りません。危険から身を守るための集団登校方式もメリットとデメリットが報告されています。
 私の暮らしていた英国では、学校の正門で学校と保護者が子ども一人ひとりの安全を確認して手渡しをしていました。公園は見通しよく鉄柵で囲まれ、中で遊ぶ子どもには保護者やベビーシッターが必ず付き添っていました。外出や買い物等子どもだけでの行動は法律で禁止されていました。多民族が居住する都市で、他者の力だけに依存しない自己責任の世界です。
一方、現代の都市では学校に行けない行かない子どもたちが増え続けています。不安・危機意識・無気力・過度の執着(ゲームやSNSパソコン、受験)等が起因です。その子にとって学校が魅力的な存在ではないのです。

○ 私立小学校に通う本校の児童は配慮すべきことが多々あります。居住する地域の方々との挨拶と交流、公共交通機関での過ごし方、学校周辺の子ども見守りグループの方との挨拶等、自立・自律が求められます。色々な方々に支えられて本校に通学ができます。
 人には幾つになっても忘れない家庭の味があります。同じように、私は海星っ子の舌に「海星の味」を刻みこんで欲しいと願っています。本をいっぱい読んだ。自然いっぱいのキャンパスで思い切り四季を感じた。いつもマリア様が私の側に居てくださった。
重い荷物を抱えて苦労して通う通学路の先に、私たちの海星小学校があります。