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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】帰属意識とコスミック教育 校長 山田 耕司

〇 モンテッソーリ教育をご存知でしょう。「個」の確立を尊重するこの教育では、「日常生活」「感覚」「言語」「数」「文化」の5分野の教具を使ってお仕事(遊び)をします。さらに、先進的なカトリック園では欧米に倣い「コスミック教育」をこの5分野に加えています。園児は、お仕事を自己選択し満足するまで没頭します。このプロセスで子どもに自信・心の安定・自律が高まります。多くのカトリック幼稚園や隣接するマリア幼稚園でもこの教育のよさを知り、教育・保育の中心として行っております。
本小学校も、この教育のよさを生かした「聴き合い活動」を10年前から進めております。

〇 創世記。旧約聖書の「モーゼ五書」の内、最初の「天地創造」の部分です。紀元前6世紀、ユダの地(パレスチナ)からバビロニアに強制移住させられ奴隷状態にあった「バビロンの捕囚」から故郷に帰還したユダヤ人は、自分たちの宗教(唯一神であるユダヤ教)を高め、ルーツ(帰属)を明らかにするために「創世記」を書き始めました。約2500年前のことです。
 この「天地創造」(全てのものは神さまによって創られました)を学んで「宗教的帰属意識」を醸成するのがコスミック教育です。

〇 人は、ものごとが思い通りに成就した時、うまくいかなかった時、「それは○○のせいです」「それは私の責任です」と責任の所在を明確にし、心の整理を行います。これを成功と失敗の「帰属意識」と言います。自分の責任とするのを「内的帰属」、他者や自分以外の責任にするのを「外的帰属」と言います。「それはすべて私自身の頑張りです。誉めてあげたい」「それは社会が悪いからです」「先生のお陰で合格することができました」「学校が楽しくないのは○○君がいるからです」……。
どちらにしましても、人は自ら心の安定を図り、次への意欲を培います。

〇 「内的帰属」や「外的帰属」を超えるものがあります。「宗教的帰属」です。成功事例の場合は「神さまの思し召し」と感謝し、失敗の場合は「すべて神さまの御心のままに」と従順に謙虚に現状を受け入れます。外国のスポーツ選手がことを始める前に成功した時に、天を仰いで十字を切る場面をご覧になったことがおありでしょう。誠に平安で平和であります。
〇 ご案内のように大学入試制度が2020年度より変わります。高校や予備校ではその対応に追われています。一体どのように変わるのでしょう。数学のプレテストを覗いてみました。
  「公園に銅像を建てましょう」と言う問題です。公園の面積に応じて、どの位置にどの程度の高さの銅像を建設するかを数学的方法を使って解くのです。公園に立つ銅像を見た経験が生かされます。銅像の存在意義が銅像の位置、大きさ、高さを決めます。見る人からの仰角は体験が裏打ちします。暗記や練習・訓練だけではこのテストへの対応はできません。
 これからの子ども達に必要になる力は、従来から求められている思考力・問題解決力・コミュニケーション力に加えてコラボレーション力(共同企画・協働製作)だと言われます。 

〇 「個」にとって望ましい能力や帰属意識の醸成は、小学校の知的・身体的・心的要素を充足した教育的体験が欠かせません。学校行事、夏季合宿や農村民泊、実習・観察・実験・調査等種々の形態の学習活動、冒険や体力を伴う遊び、異年齢集団活動、そして宗教的行事と宗教教育がそれを構成します。このプロセスで「個」に集団に、求められる能力と自信・心の安定・自律・他者への愛情の高まりが醸成されます。