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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【卒業生近況】マリアさまの月 校長 山田耕司

マリアさまの月
マリアさまの青いマントに包まれて

〇 初夏の透き通るような青空を、いつしか「五月晴れ」と呼ぶようになりました。江戸時代は、梅雨の晴れ間を「五月晴れ」と呼んだそうです。明治になって暦が太陰暦から太陽暦に変わった一つの影響でしょうか。西欧では、日本の「五月晴れ」にあたる言葉は、マリアさまの青いマントを広げたような空、「マリアさまの青いマント」と言います。西欧の人々は、春になって一斉に花が咲き、小鳥がさえずり、そして透き通るような青空に、大好きなマリアさまの愛を感じるようです。

〇 新学年になり、1ヶ月が経ちました。新一年生は勿論のこと、毎年その学年に応じた学習習慣を身につけるのに子どもたちも先生も躍起になる時期です。せっかく学びの習慣が整いつつある時に、日本では連休ゴールデンウイークがやって来ます。ここで一息つけると捉えるか、連休明けに再スタートの苦しみが待っていると捉えるか、様々です。

〇 「Kちゃん、宿題しましたか」「先生、宿題をたくさん出してください」。そうです。宿題はとても大切な学習です。学習習慣や学習のリズムを作ります。既習を定着させるために個に応じた練習は欠かせません。個の課題(自分で見つけた課題)を追究するために家庭学習は大切な時間です。
 そこで、帰宅をして最初に取り掛かるのが宿題というご家庭が一般的です。「Kちゃん、宿題をしましたか」。自分から進んで、今日の復習をしたり、明日の予習をするのには、わが子はまだまだ不十分です。ピアノのレッスンも英会話もあります。夕食の準備もあります。

〇 さっさと宿題を片付けないといけません。そこで、キッチンスタディとなります。新一年生です。学校でちゃんとやっているのかしら。お友達はできたのかしら。いじめはされていない?いじめに参加していない?
 目の前で宿題をしてもらうと、料理をしながら、いろいろと会話も弾みます。学校の様子も話しやすいようです。ちょと手を休めてわが子の質問にも答えられます。子どもは、受け止めてもらえる安心感、安堵感に浸ることができます。

〇 しかし、4年生にもなりますと、学習内容がぐんと増えてきました。内容の深さも感じます。ここは腰を落ち着けて自分の部屋で自分の机について、じっくりと勉強に取り組ませたいと思います。学校で辞書を買い、辞書の使い方を学びました。辞書や図鑑には色々な種類もありそうです。社会科や理科では、学級で共同で追究する「学習問題」と、個人の関心で追究する「学習課題」があります。自分の時間を使って、納得するまで追究する学習を展開しています(これがアクティブ・ラーニングです)。小学校時代に、これに没頭した子どもが、学問や研究への道を歩む事例が、多く紹介されています。自主自立のできる子どもの姿です。

〇 4月29日より5月7日まで連休が続きます。マリアさまの青いマントに包まれて、ご家族で戸外に出て楽しく過ごされてみませんか。身体的な刺激、知的な刺激、心的な刺激、わが子には、どれが、今、必要でしょうか?三つの刺激を受けて、子どもたちの身体や頭脳や心は育っていきます。本人もそれを「きもちいいね~」と自覚します。

〇 「神様は羊飼いです。私たちはその羊です。」
「羊たちは安心して羊飼いさんについていきます。そして、おいしい草をお腹いっぱい頂きます。」
「神様は、困った時、つらい時、悩む時、どんな時にも私たちを守ってくださいます。よい方向へ導いてくださいます。」「安心して、みんな仲良く楽しく4月の最後の1週間を過ごしましょう。」と、私は、週の始めの全校朝礼でお話をしました。