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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】旅立ちのときに 副校長 野口美智子

 今年も、宮崎県から「春の便り」が届きました。3月3日(金)、JA宮崎経済連による3年生のフラワーアレンジメント教室を行いました。様々な色のスイトピーやラナンキュラスの入った入れ物が、一つ二つと玄関から運び込まれるたびに、花達が揺れながら、「春ですよ」「春ですよ」と軽やかなメロディで歌っているかのようです。子ども達は、牛乳パックで作った入れ物に水をたっぷり含んだオアシスを入れて、いよいよフラワーアレンジメントの始まりです。スイトピーやラナンキュラスを挿して、緑の葉も挿して、ひな祭りなのでお雛様のピックを挿して出来上がりです。どの子も、花に負けないいい笑顔です。

 子ども達は、「お母様にプレゼントするんです」「お姉さまにひな祭りのプレゼントです」など、嬉しそうにその日のうちに持ち帰りました。ご家庭にも「春の便り」が届いたことでしょう。学校にもたくさんいただいて、マリアロビーや玄関などに飾っています。しばらく、色と香りで春の訪れを楽しみたいと思います。

 さて、この季節になると思い出す詩があります。
河合酔茗(1874年~1965年)の「ゆずり葉」と題される詩です。

子ども達よ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入れ代わってふるい葉が落ちてしまうのです。

こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって---。

子ども達よ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものがお前たちにゆずられるのです。
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。

かがやける大都会も
そっくりお前たちがゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
みんなお前たちの手に受け取るのです。
幸福なる子ども達よ
お前たちの手はまだ小さいけれど---。

世のお父さん、お母さんたちは
何一つもってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。      ~以下略~
         
 「ゆずり葉」の詩は、「紫羅欄花」(1932年・昭和7年)に所収された一遍で、昭和50年代の国語の教科書に載っていました。新任教師として福岡市内の小学校に赴任した私は、3年生の子どもを受け持ちました。研究発表会の関係もあって、学級編制(1学年6クラスでした)はあったものの、その子たちを3・4・5・6年と持ち上がって、卒業させるころにこの詩と出会いました。自分の子どもに対する父親の慈愛に満ちた心情がよく表された詩ですが、初めて卒業させる子ども達への担任としての想いと重なりました。授業のときの子ども達の言葉の一つひとつが、あのかわいかった3年生の時の笑顔とともに、今でも心に残っています。
 
 今、改めて読み返してみると、
「みんなお前たちにゆずってゆくためにいのちあるもの、よいもの、美しいものを、一生懸命に造っています。」
と私たち大人は、胸を張って言えるかなと自問自答したくなります。

 海星小学校では、子ども達は様々な出会いをします。神様との出会い、自然との出会い、友達との出会い、先生方との出会い・・・。それらのすばらしい出会いの中から、子ども達は、旅立ちのときの心強い味方をきっと見つけてくれていることでしょう。

 いよいよ明日、3月15日(水)は第44回卒業式です。遠く北海道北広島より、シスター島村のお祝いのメッセージが届きました。

第44回生の皆様、ご卒業おめでとうございます。
皆さんが3年生の時の名簿を目の前にして、小さかったお一人びとりを思い出しております。大きく成長されましたね!皆さんお一人びとりを神様が守り導いてくださいますようお祈りいたします。
                                                希望の中に!     島村 晢子

 シスター島村の優しい笑顔まで届けていただいたようなメッセージです。卒業生の皆さん一人ひとりの未来に心から幸多かれと祈ります。ステラマリス(海の星マリア様)の導きのあることを願っています。