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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第20号 平成21年 2月20日 副校長 山田 耕司

飛翔への準備   
       
O 世の中がますます複雑になるとともに、人々の個性が尊重される時代です。これらは、コミュニケーションに悩む中学生・高校生の声です。耳を傾けてください。私たち大人や本校のこどもたちにも当てはまることかもしれません。
●私は、かんしゃくや感情をおさえきれません。すぐに心臓がバクバクして顔が赤くなるのが自分でも分かります。ですから、相手の気持ちになって考えたりすることができません。
●私は、人と対立した時、それをうまく解決する方法が分かりません。だから、対立しないようにいつも自分が何かを我慢をしようと努力をしています。ですから肩がいつも重いのです。
●私は、自分の意見をいつも主張します。相手の気持ちを考える前にとにかく友達に私の意志・意見・考え方を分かってもらいたいのです。分かってもらえるまで、何度でも話します。そうしないと自分の気持ちが治まらないし自分を守れないからです。
●私は、自分の感情を友達に伝えたり、逆に友達の気持ちを汲んだりすることが苦手です。ぐずぐずしているうちに、どうコミュニケーションしたらいいのか混乱に陥ってしまいます。
●私は、相手と対立が起きると、落ち着いて対処できると思いません。友達や親と対立した時、どんな方法で解決したらいいのでしょう。

子どもも一歩社会に出ますと、出会う一人一人の人々との個々の対応が求められる場面に遭遇します。中学生になった時、豊かなコミュニケーションのあり方を身につけておかないと、煩わしい、困惑する場面を回避する傾向に陥ります。即ち、最初は出不精になり、やがて訪れるのが引きこもり傾向や不登校傾向です。

O 「国際化時代に生きる子どもを育てる」「グローバルシチズンをめざす」等のキャッチコピーが学校の教育方針に掲げられる時代です。英語教育や姉妹校交流が盛んです。外国人とは何とかうまくできても、クラスの中で疎外感を味わったり、友達との「いさかい」がたえないのが、今の中高生です。中高生の「ケータイ」は、単なる電話ではありません。メールや情報ネット接続を主目的とする情報端末機器です。直接相手と向き合って自分のメッセージや私の本当の気持ちを伝えることを苦手とする彼らは、文字容量が規制されることを利点とするメールを使用します。また、情報ネットに接続して空虚な時間を癒します。
6年間の本校での教育を終えた後、子どもたちはそれぞれの目標に向かって自分の選択した中学校へ飛翔していきます。そこでの新しい出会いが待っています。
その時、教え子たちがコミュニケーションに悩まないように、「相手と向き合って私の本当の気持ちを伝える」「自分が話すことよりも相手をよりよく理解するために聴くことを大切にする」能力を身につけさせたいと教職員全員で願い取り組んできました。本校の子どもたちが1年生から6年生まで、各教科等それぞれの発達段階に合わせて体験を重ねている「聴き合い活動」がそれです。

O 中学校への飛翔・次の学年への飛翔のために、ご家庭でも呼応して「聴き合い活動」を進めてみてください。まず、子どもの語りに耳を傾けてください。能動的に聴いてください。子どもの気持ちが理解できるまで聴いてください。そして、お母さんの気持ちを子どもに分かるように伝えてください。
各学年1学級の小さな集団です。兄弟姉妹の集まりのような学校です。ですからちょっとした「いさかい」が起こりがちです。「いさかい」は、自己成長・集団意識の高揚のよい場ですが、それを少なくするためにも「聴き合い活動」を進めています。「聴き合い活動」の学習体験を生かして「いさかい」を自分たちで解決でき、担任に報告できることで、コミュニケーション能力が育つことを期待しています。
子どもたちは、後1ヶ月で進学・進級を迎えます。