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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】ホスピスのシスター  校長 山田耕司

○ 熊本市にイエズスの聖心(みこころ)病院があります。そこには終末医療を担当するホスピスがあります。「ホスピスは、人生の終末期を迎えた人たちが、その人らしい生を完成するための、援助プログラムです。患者や家族が主役であり、身体と心と魂の安らぎを目指します」と、シスター泉は語ります。

○ ホスピスの発祥の地はイギリスです。かつてイギリスは、「ゆりかごから墓場まで」と言われた福祉大国でした。それを維持するために、国民労働者は、日本では考えられない程の税金を払いました。消費税も所得税も固定資産税も高額です。その代わり労働と余暇の区別ははっきりさせた生活習慣を築き、老後を心配して、日本のように生命保険に加入する人はおりません。国際経済力の低下と共に、安価な労働力を旧植民地や移民に依存するようになり、ご自慢の社会福祉制度に陰りが見え出しました。日本ではあまり報道されていませんが、今回の英国のEU離脱の背景の大きな一つです。一方で日本と同じように孤老生活者が増え、ホスピスの役割に期待されています。

○ シスター泉の病院では、英国のホスピスのよさを取り入れて患者へのケアーを進めています。次の図をご覧ください。患者の「喜び・希望・感謝」は、医師・看護師・心理療法士・チャプレン(神父・牧師・シスター等宗教者)がチームとして取り組み、生み出します。
 臨床の場で「いのち」には動きがあります。「いのちは動いています」「いのちには方向性があります」「いのちには叫びがあります」「いのちは応えると喜びます」患者は、「いのち(生)」から「死」へと脱皮して行きます。                  日野原重明先生は、「いのちは自分が使える時間のことを言う。大人になるとは、自分以外の人のために使える時間を増やしていくことである」とおっしゃいます。「いのちが存在する」⇒「動く(できる)」⇒「持てる」⇒「動かない(できなくなる)」⇒「死(わたしは存在する)」 このプロセスを、蝶が脱皮するように、自分のペースでゆっくりと進めるようにホスピスでは、チームケアーが進められて行きます。
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○ 残念ながら人は一人では生きられません。自分に関心を持ってくれる人、「あなた」が必要です。私のことを聴いてくれる人が必要です。ホスピスで大切にされていることは「傾聴」です。耳を傾けること。相手をリスペクトし、耳を傾けることです。
「わたしは、あなたに無関心ではありません」のサインは、①アイコンタクト ②笑顔 ③うなずきの三つです。自分の気持ちではなく、相手の気持ちを大切にします。これを共感的理解と申します。相手を無条件に受け止め、大切にします。相手の存在そのものを尊重します。これを受容的態度と申します。

○ よい聴き手は、全感覚を集中します。同一目線、アイコンタクトを大切にします。誠実な応答を心がけます。沈黙を恐れません。「待つ」ことに寛容です。アドバイスはできるだけ控えます。
ホスピスでのCommunicationは、ことば(音)は7%、声音は38%、態度(ボディーランゲイジ)は55%だそうです。
 私は、この講話を聴きながら、これは「子育ち」に生かせる。これは「子育て」にも言える。これは「学習(学びと指導)」に生かせると思いました。
お子様が待ちに待つ夏休みがやってきます。