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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】自然から学ぶこと 副校長 野口 美智子

 梅雨になって、アジサイの花をマリアさまの前に飾ることが多くなりました。アジサイの花は実に様々で、その色や形の美しさに、子ども達も思わず足を止めて見ているようです。

 さて、5月の終わりのある日、「芝生広場に毛虫がいると子ども達が言っています」と、スクールバスの指導から帰って来た先生から報告がありました。さっそく芝生広場に出て捜してみました。すぐには見つからなかったのですが、よくよく見てみると、パンジーやビオラのプランターの中に、黒くてオレンジ色の筋のある幼虫が何匹もいました。理科の中村先生にも見ていただくと、ツマグロヒョウモンの幼虫でした。パンジーやビオラを土ごと大きな飼育箱に移し、3年生の教室で育てることにしました。「きれいなチョウになるのですよね」「パンジーやビオラにしかいないのでしょう」など、子ども達は目を輝かせています。今までにも、カブトムシ、モンシロチョウ、アゲハチョウなどを飼っていた教室に、ツマグロヒョウモンも仲間入りです。

 3年生の学級通信の一部を紹介します。「3年生の教室で5月から飼っていたアゲハチョウのさなぎが、やっと成虫になりました。子ども達は朝から、『こんなに大きなチョウになるなんてすごい』『とてもきれいな色をしている』などと驚きながら、成虫になったアゲハチョウを観察していました。アゲハチョウを放してあげた時にも、『無事に飛んで行ってくれてよかった』と自分たちが大切に育てたチョウの姿を、見えなくなるまで見送っていました」とあります。図鑑などで見るだけではなく、実際に育てたからこそ分かることがたくさんあります。ぜひ、体験を通して、ツマグロヒョウモンやカブトムシについても詳しくなってほしいものです。

 6月2日(木)には、1年生の子ども達が、海星女子学院高等学校のこども教育進学コースのお姉さま達と一緒に虫取りをしました。ダブルスコープ(虫などを上からも下からも見ることのできるスコープ)を使って、捕まえた虫の観察をじっくりとしていました。「ダンゴムシの足は何本かな」「バッタの赤ちゃんがたくさんいるよ」など、子ども達の興味は次々に広がったようです。海星小学校では、雑草園をはじめ、南運動場からガイアの森にかけて、たくさんの生き物が育っています。じっくりと観察したら、そっと自然に戻してあげたり、大切に飼ったり、子ども達それぞれに生き物の命についても考えているようでした。次の日からも、休み時間に南運動場やガイアの森を、虫取り網とかごをもって走りまわる1年生の姿がありました。緑豊かなガイアの森を背景に、白い夏帽子姿の子ども達が、あちこちと走り回るさまは、見ていてこちらまで楽しくなる、海星ならではの初夏の風物詩と言えそうです。

 虫達だけではなく、海星女子学院のキャンパスには、季節ごとに数多くの草花が咲きます。NSP(先生たちによる自然・科学のプロジェクト)で、4月から、「海星の春の植物たち」を調査し、 理科室横の掲示板に貼り出していました。「見つけた植物にシールを貼ろう」と子ども達に呼びかけたところ、短期間に、なんと400を超えるシールが貼られました。特に多かったのが、クサイチゴ、シロツメグサ、カラスノエンドウ、カラスムギ、セイヨウタンポポなどです。今、「海星の夏の植物たち」も準備中です。一人ひとりの子どもが名前を知ることにより、植物に対してより広く深い興味を持ってくれればと思います。
 また、委員会活動を中心にしたゴーヤのグリーンカーテン、キウイのトンネル、ジャンボヒマワリなどの栽培活動の継続した取り組みや、5年生のJA宮崎経済連との連携による「海星ピーマンプロジェクト」の新たな取り組みなど、自然とかかわる取り組みを充実させています。ガイアの森をはじめ恵まれた自然環境を活かし、五感をしっかりと働かせた海星小学校ならではの取り組みにしていきたいと、理科担当やNSPを中心に、全職員で取り組んでいます。

 5月25日(水)から27日(金)には、5年生がうきは市に農村宿泊体験学習に行ってきました。今年も26人全員が参加することができました。梨の摘果や桃の袋かけ、桑の実の収穫、森林セラピーなど、日頃はできない自然を感じる様々な体験をしてきました。嬉しいことに、水害で少なくなっていた「ホタル」が随分と復活していて、暗闇の中に光るたくさんの「ホタル」を見ることができた子どもも多かったようです。

 最後に、梅雨の間は室内で過ごすことが多くなり、廊下の通り方が気になります。本校では運営委員会の提案で、6月から全校のみんなで、廊下の通り方の悪い人に黙って手振りで注意する「シー・ストップ運動」を展開しています。雨の多いこの季節に、廊下の通り方に取り組むことも、自然から学ぶことのひとつになるのかもしれません。子ども達の意識が高まり、「シー・ストップ運動」をしなくてもよくなるまで、根気強く取り組みたいと思います。