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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】大学入試制度改革  校長 山田 耕司

大学入試制度改革
 

○ 2020年度から大学入試制度が変わります。なぜ、政府は政策の変更に踏み切ったのでしょう。今号はこのお話です。
 「教科書の検定制度」や「学習指導要領」「幼稚園教育要領」の制定等、子どもたちの学校教育・幼児教育に深く関わる仕事をするのが文部科学省です。
 現在の文部科学大臣馳浩氏は、オリンピックにも出場した元レスラーですが、この度「ゆとり教育に決別する」主旨の方針を出しました。これは、Global社会の中で国際的競争に打ち勝つ資質を持つ子どもたちを育てる教育を強力に進める方向を意味します。
ところで「SGU]をご存知ですか。
Super Global Universityのことです。Global社会の中で、世界を舞台に働く人材を育成するために、世界に通用する研究機関である大学をつくることに力を入れようと、2014年に政府によって制定されました。全国の大学から公募され指定された、世界の大学トップ100をめざす13大学(東大・京大・早稲田・慶応・九大等)と、特色ある研究で地域のグローバル化を牽引する24大学(上智・熊本大・立命館APU・国際大等)、計37大学がそれです。九州からは3大学のみです。
 SGUのどの大学も、外国人スタッフや留学生の採用拡大を進め大学の国際化を積極的に図っております。

○ 文部科学省は、激進するGlobal社会に対応できる大学をつくるために、SGUを指定し膨大な研究補助金を充てると共に、2020年度から大学入試制度を改革します。高等学校の基礎学力(知識の量・理解力・応用力)をはかる現行の大学センター入試から、「英国のAレベル」を参考に希望する大学に必要な学力を評価するテスト(基礎学力に加えて分析力・評価力・創造力)に変わります。この「大学入学希望者学力評価テスト」は、国語や数学等「教科型」に加えて、教科・科目の枠を超えた思考力・判断力・表現力を評価するため、「合教科型・合科目型」「総合型」の問題を組み合わせて出題されます。自ら獲得している知識や技能を活用して、課題を発見し、解決に向けて探求し成果を表現する問題が想定されます。

〇 私は文部省の海外教育施設派遣教員として、バンコク、パナマに続いて3回目にロンドンの日本人学校校長をしておりました。「日本人学校にも教育実践研究校をつくる」をテーマに赴任しました。
 私は、ロンドンの8つ学校(小学校・中等学校)との交流の中で英国の教育や教育制度を直接学びました。
日本人学校に通う子ども達は、将来Global社会の最前線で生きて行きます。私は3年間の研究でひとつの答えにたどり着きました。
 Global社会で生きる彼らに培いたい能力が6つあります。それは、①知識の習得:多くの知識を身に付ける。②適切な判断・評価基準をつくる力:何を規範に判断するか、そのものさしはGlobalか。③論理的な判断ができる力:論理の法則を生かして判断できる。④「公正さ」を求める思考力:不合理な規則や既成の枠組みを疑ってかかることができる力、批判的思考力とも言えます。⑤在留国の人との関係をつくる力:異文化間に生ずる「違い」に耳を傾け、理解し受け入れることができる。⑥課題を「参加」して解決する力:認識や態度のレベルから一歩進めて、行動すること。 

○ 実は、この6つの能力は、現在日本に暮らす子どもたちにも同じように求められています。2020年度からの大学入試はこの能力を評価します。この能力を培うための教育・学習が、幼稚園期から大学・大学院期まで教育課程に位置づけられることが必要です。そのひとつの方法が、現在文部科学省が提唱しています
Active・Learningと英語によるイマージョン教育です。
 本校は9年前より「先を見る教育」を進めてきました。「聴き合い活動」「ポートフォリオ評価」「自然を生かした遊びと活動」「担任とALTによる英語活動」「幼稚園・高校との交流」「みことば作文」がそれです。成長していく海星っ子のこれからが楽しみです。