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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】交わりの達人 聖フランシスコ 【校長 山田耕司】

交わりの達人 聖フランシスコ

○ 10月9日、小学校の2年生と3年生も参加して学院講堂で高等学校の「聖フランシスコの集い」が行われました。祈りと聖歌に包まれて、美しい時が流れました。互いに新しい感動を味わったようです。
 フランシスコは、今から800年前のイタリア・ウンブリア平原の城塞都市アッシジに生まれました。その数奇な人生と信仰生活でイタリアでは最も尊敬されている聖人です。フランシスコは、ハンセン病者の友であり、棄てられた人の友であり、小鳥や動物たちの友であったと言われます。また修道者として、神との交わりの霊性を実践するひとでもあります。彼はこのように全ての面で「交わりの達人」でありました。
 本学院創設者マリアの宣教者フランシスコ修道会は、このフランシスコの信仰生活を模範としています。

○ 難民や移民の大量移動の時代。国際紛争や大災害の中「コミュニケーションの不足」よるアイデンティティの崩壊が危惧される時代です。
 コミュニケーションを情報伝達や情報交換のレベルでとらえますと、「情報」というモノを移動したり、コピーしたりするイメージにとどまります。また、コミュニケーションを「討論・議論・ディベート」と考えますと、対立を更に深めるなど限界があります。
そこで、コミュニケーションをフランシスコに倣って「他者理解・自己理解・相互理解」のための「対話・分かち合いの交わり」と捉えますと、希望が見えてくるようです。

○ 最近の組織学習や社会学の研究で、人が「もの・こと」への理解を深めたり、理念やビジョンを共有したりするための有効なアプローチとして、「対話(聴き合い・語り合い」が注目されています。互いの利益が複雑に絡み合う国際紛争や思想的な背景の異なる宗教対立へのアプローチとして「対話」が有効に使われます。
 企業や学校の経営では、組織が直面する課題解決をダイバーシティー(多様性の発揮)型アプローチによって成果を上げています。これは「対話」の有効活用の一例です。多様な他者と聴き合う・語り合うことで、「もの・こと」の意味を探り理解を深めることができます。行動に移すことができます。

○ 近年注目されています「対話」の一つとして、ワールド・カフェという方法もあります。学年のような比較的多人数の集まりでも、設定した課題に関して、ダイナッミクで協働的な「対話」の場を作り出すのに効果的です。
 やり方は、グループ毎にテーブルを準備し、その上に置かれた大きな紙(模造紙等)に自由にメモを描きながら、20分~30分の「対話(聴き合い・語り合い)」をくり返し行います。カフェ・マスター(MC)を決め、MC以外の参加者の組み合わせを変えながら(3回程度)、4人単位の小グループで「対話」を続けます。それによってあたかも全員で「対話」をしているような効果が得られます。メンバーを変えながら行うのは、そこで出たアイディアが他者に転移していくイメージです。課題に対する理解が短時間で深まり、活き活きとした「対話」で場の盛り上がりが期待できます。
 立場の異なる多様な立ち位置の人々が集まって「対話」を行いたい。組織の垣根や上下関係を超えてオープンな「対話」を行いたい。「聴く・語る・分かち合う」を通して、発想が膨らみ、創造性が発揮されるような「対話」を実現したい。一人の考えに支配されるのではなく、全員が貢献できるような「対話」を行いたい。全員のアイディアを統合し新たな知識を生み出したい。このような時に使える有効な方法です。

○ 本校で7年前より取り組んでいます「聴き合い活動」に再度返ってみましょう。なぜ、本校では「聴く」ことに熱心なのでしょうか。
 以上のことは、ご家庭で行われる日常の団欒にも反映できるようです。家族全員参加で、家族の課題を究明していく。お父様の一言で解決する。オペラント方式で解決する等、「地の塩165号」でも取り上げましたように多様性のある社会に属する現代の子ども達にとって、これらの方法だけでは限界があります。