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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】勇気づける~校長 山田 耕司

勇気づける    

○ 紛争や国際テロのニュースが毎日のように報じられます。子どもたちの眼にも大人たちの愚行はストレートに映ります。何千万人もの移民や難民が故郷を追われ国境を越えさせられています。ある時は少女が自爆テロを強制され加害者ともなります。それらのもとは、「貪欲」「貧困」と言われます。

  今日の人々は、愛に飢えています。
  愛だけが、孤独とひどい貧困に対する唯一の答えとなるのです。
  飢える心配をする必要のない国もあります。
  けれど人々は、ひどい孤独とひどい絶望、ひどい恐怖心にさいなまれています。
  彼等は、だれからも求められていないという拒絶される悲しみと、救いようもなく、
 希望のかけらもない気持ちを感じているのです。
  こういう人たちは、ほほえむことすら忘れてしまっています。
  そして、人間同士のふれあいの美しさも忘れてしまっています。
  人の愛など、とうの昔に忘れ去っています。
  こうした人たちには彼らのことをわかろうとし、大切にしてくれるだれかが必要なのです。
                              (マザー・テレサの言葉より)

○ マザー・テレサは言います。愛の反対は憎しみや貧困ではありません。それは孤独です。だれからも求められない悲しみです。子どもは自分が捨てられたと感じたとき、自分のこれからを見失います。
 近年、未成年者の関わる犯罪が多くつたえられます。その中には「私は捨てられた」と思っている人も混じっているのではないでしょうか。
 移民や難民として生きるためによりよい生活をもとめて国境を越えます。たどり着いた土地で数代をかけてトランスカルチャラル(自他の文化を融合して独特の新文化形成)を形成します。しかし移住先の国ではなかなか受容されません。世界を恐怖に陥れているイスラム国に参加する欧米や中国西域出身の若者にはこれらの文化の出身者が多くみられるようです。

○ 祖父の故国の言語も文化も知らない。移住先で学校教育は保障されるが経済格差の壁を乗り越えるにはあまりにも高すぎる。日本にも、在日と呼ばれる方々の他に約200万人の外国人が居住し悩みを持って暮らしています。日本の地方都市で日本の小学校に通う子どもにどのような教育をすればよいのか。世界一平和な日本で永住したいが、日本国の環境の中で、◌◌◌人としての文化観・歴史観、アイデンティティーはどうなるのだろう。生活は保障されるだろうか。

○ グローバル化は外向きだけではなく、内向きもあります。今後、国策で外国人の受け入れが寛容になってきます。高齢化社会も益々進みます。弱い立場に置かれる人々が増加します。
 本校に通う子どもたちは比較的に恵まれた家庭環境で育っています。個人の資質も高いものを与えられています。この子たちは、マザー・テレサが進める愛を実行する人になることが求められます。人々のお世話役・リーダーとして期待されます。群れの先頭を走ったり群れを下から中から支えたりすることは大変な意慾や勇気が必要です。

○ 子育てをする際には従来より「ほめる」「しかる」のありようが話題になります。「ほめる」「しかる」はややもすると、大人の物差しが優先されます。現代の子どもには、それに加えて「勇気づける」ことが大切です。これは子どもを「支援する」姿勢です。それは、まず子どもの話をじっくり「聴く」。子どもの考えや行動を「受容」する。子どもに「共感的理解」を示すことです。そうすれば、子どもは「私は捨てられた」と感じることはありません。
 子どもの経験や体験を大切にし「自立」を支援する方法です。失敗も長続きしないお稽古事も含めて子どもには尊い経験です。年齢と共に子どもはみるみる成長していきます。大人(親・先生)も共に成長しませんと「支援」はできませんね。