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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第6号 平成20年6月18日 副校長 山田 耕司

「聴く」ことを大切にする授業づくり
               
O ファミリー・スポーツデー(運動会)が終わり、学習に集中できる6月です。
先週から各学年で研究授業が始まりました。「聴く」ことを各教科のカリキュラムに位置づける研究です。
授業参観等で実際に参観をされた場合にお気づきのことと思います。子どもが自分が調べた課題を発表したり、友達に意見を聴いたりする場面がよくあります。互いの意見を交流する学習です。私たちは、この交流を通して自分の考えが高まったり深まったりする喜びを、子どもたち一人ひとりに体験してほしいと願っております。
O 従来は、この場面で「話し合い活動」が主に行われました。自分の考えや意見を活発に述べた子どもが人の意見を聴かない場面に私たちはしばしば出会います。自分の考えや意見を述べたことで満足してしまっているようです。また、ある子どもの発言に対して数人の子どもが「わかりました!同じです!」という場面にもよく出会います。自分の考えを持たずに全体に同調してしまっているようです。
O 自分の考えや生き方をより確かなものにしていくためには、「自分の考えが、他の人にどのように伝わったのか、自分の考えと他の人の考えとの違いは何か」などといった他者との関係の中から自分自身を見つめることが大切です。一人の子どもの内面に「個性」と「社会性」(他者との協同化・共有化・ネットワーク化・関わり)を一元的に育む教育が求められます。現行の多発する青少年犯罪や青少年の行動規範意識を見ます時、「個性」と「社会性」を同時に育む学校教育の使命を強く感じます。
O 「聴く」ことを大切にする学習を、本校では「聴き合い活動」と呼んでいます。1年生から6年生まで、全教育活動で必要に応じて行っていくものです。基本的にグループ単位で行います。1年生の1対1から始まり、3年生になりますと、3~4人のグループで行います。この活動にはいくつかのルールがあります。話し手1人に対して聴き手が2~3人です。聴き手は「聴く」ことに専念します。とにかく最後まで話し手の話を聴きます。
来る21日のオープン・スクールで、その実際を公開します。子どもたちはまだまだ不慣れですが、「聴く」ことがもたらすよさを感じていただけたらと願っております。
O 夕食後や週末の一時に、一家団欒の時間を持たれるでしょう。テレビやゲームのスイッチを消して、互いの顔を見て、子どもたちのあどけない話を最後まで聴いてみて下さい。本やゲームの興味深い話や友達との行為の話など独特の子どもの世界の話をするでしょう。
子どもの世界に学ぶこともあります。驚くこともあります。
話の進行に沿って「うなずく」「首をかしげる」「聴き返す」をします。最後まで聴いた後、子どもの求めや了解に応じて「聴きとったイメージや自分の内側に生じた考えを伝える」「意見を言う」「疑問を言う」行為をします。子どもは聴かれる喜びや充実感・満足感・安心感を味わうでしょう。私たち大人が「聴く」ことを大切にすると、子どもの新しい部分に気づいてきます。
O 人の話に真剣に耳を傾ける子ども、「聴く」ことを大切する子どもは、隣人を大切にします。これは、23年度からの新学習指導要領で求めている思考力・判断力・表現力を醸成する学習や生涯学習に叶うものです。小学校生活6年間で是非身につけさせたい能力・態度です。