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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】平成24年5月15日 副校長 野口 美智子

「海 星 100冊」をきっかけに
          

職員室の窓から、ガイアの森の緑が日毎に鮮やかな色の変化を見せてくれています。ファミリースポーツデーに向けて練習に励んでいる子ども達の声に交じって、時々鳥の鳴き声がおしゃべりでもしているかのように聞こえてきます。心が豊かになるような「海星の初夏」です。
昨年度からアンケートなどでご協力いただいていた「お父さん・お母さん・先生が選んだ 海星100冊」〔以下「海星100冊」〕の校正が終わり、もう少しで子ども達の手に渡せるようになりました。たくさんの方のご協力のおかげです。ありがとうございました。学校では、この「海星100冊」をきっかけに、読書好きの子ども達を育てようと全校で取り組んでいきたいと考えています。そのために、

○ 図書室に「海星100冊」のコーナーを設け、子ども達に「この本おもしろそうだな。」「次はあの本を読んでみたいな。」など、読書に対する興味や意欲を起こさせます。現在は各2冊ずつですが、様子を見ながら増やしていくことも考えています。

○ 海星タイム〔火〰木〕を活用して、全校一斉に「朝の読書」を行います。これはまず一学期間実施し、よりよい実施方法を検討していきます。

○ 「海星100冊」の小冊子を活用し、一人ひとりに読書の目標を持たせます。定期的に自分の読書活動を振り返らせ、読書活動が充実していることの喜びを感じさせます。

○ 「海星100冊」をきっかけに、読書の輪が広がっていくように、同じ作者の本・同じジャンルの本・別のジャンルの本など、子ども達同士の紹介や教職員からの紹介などを意図的に行っていきます。
先日、学校に届けられた「海星100冊」の本を見ていて「十五少年漂流記」を見つけました。「海底二万マイル」や「八十日間世界旅行」「月世界旅行」など、小学生の頃に心躍らせて読んだジュール・ヴェルヌの作品です。ヴェルヌは1828年フランス生まれ、1905年に没するまでに、科学や機械に関するSFものを中心に多くの作品を発表した作家です。今でも私の心に残っているのは、様々な冒険の数々はもちろんですが、「海底二万マイル」の解説に書いてあった「当時まだ存在していなかった潜水艦ノーチラス号を登場させたヴェルヌのアイデアは予言的で、実際に潜水艦が造られるのはずっと後になった。」という一文でした。今考えると当たり前のことですが、読書の中で想像の世界に浸ることのすばらしさを感じました。まだカラーテレビもなかった時代、挿絵もカラーページはほんの何枚かだった時代でしたが、想像の世界では、青い空や海が果てしなく広がり、冒険の旅を楽しんでいたことを「十五少年漂流記」を手に取りながら懐かしく思い出しました。

もう一冊、心に残る本を見つけました。「わすれられないおくりもの」です。2004年に、柳田邦男氏の絵本セミナーを聞きに行った時に紹介された本です。それまではノンフィクション作家としての作品しか知りませんでしたが、そのときに買った「絵本の力」(河合隼雄・松井直・柳田邦男)はいまだに時折読み返しています。その中で、柳田氏は、絵本の可能性を「人生に三度読むべき絵本」というキャッチフレーズで表現しています。「『人生に三度』とは、まず自分が子どもの時、次に自分が子どもを育てる時、そして自分が人生の後半に入った時という意味です。」「生きていく上で一番大事なものは何かといったことが、絵本の中ですでに書かれているんですね。」とも言っています。 私はこの講演を聴いた後、三度目の出逢いを求めてできるだけ絵本を読むようにしてきました。三度目の出逢いができたかどうかはわかりませんが、前に読んだ時と違う何かを感じることが少しずつ増えてきました。もう少し経ったら、本当の三度目の出逢いができるのかもしれません。絵本の可能性を感じさせられる本です。

その他にもたくさんの懐かしい本・読んでみたい本がありました。この「海星100冊」をきっかけに、子ども達の読書の世界が広がっていくことを願っています。どうかご家庭でも声をかけてあげてください。