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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】平成24年5月1日 第3号 校長 山田 耕司

木を植える

○「森のある小学校です」。
学校の特色を尋ねられました時、まず私はこう答えます。続いて、マリア様のこと、海星ファミリーのこと、手のひらサイズの学校の様子等を話していきます。

本学院は、来年2013年で50歳の誕生日を迎えます。50年前の学校建設用地周辺は、一面、水田・ぶどう畑・開墾農地でした。下記の地図(H.P上では地図を省略しています)にありますように屋形原から今のやよい坂を経由して那珂川町の現人橋至る道は、ぬかるみの車の離合に困難な細い道でした。老司池をいだく丘陵は雑木林に覆われていました。小学校部分の丘陵は、浦原古墳(前方後円墳)の北半分です。そこは低い潅木に覆われていました。それらを伐採して校舎が建てられました。今残る松をはじめ殆どの木は自生したものです。また106本あると言われる桜は、海星ファミリーの記念樹として順々に植えられたものです。

○ 開校以来マムシが住むため入林禁止とされていた学校の森は、近年になって調査と整備が行われ、教育林としてこどもたちに開放されました。そして、前校長シスター入江先生によって「ガイアの森」と命名されました。学校には「ガイアの森」に続く「たぬきの森」もありますが、こちらはたぬきさんのために今でも人間は立入禁止となっています。昨年度この森に全児童教職員で「ぼくの木わたしの木」を植えました。ペットボトルに入れた水を大切に運び、自分の木に話しかけながら水やりをする子どもたちの姿に自然の癒しを受けます。
今年は、希望される保護者の方にも植樹をお願いしたいと考えています。次の時代の海星ファミリーのために、緑のガイアの森を伝えたいと思います。

○ 小学校の社会科の教師をしておりました時、「木を植える漁師」という環境分野の授業を考えました。「漁師さんがなぜ植林をするのだろう」という疑問が、「漁師さんが木を植える秘密を探ろう」という学習問題を支えます。三陸のある漁業協同組合では、魚の餌になるプランクトンの発生を積極的に促すために、定期的に海に注ぐ川の上流に出かけ植林を行うと言う新聞記事を見たことからの発想でした。気の遠くなる話ですが、人と自然との営みはそれほど時間を伴う先を見通すものだと子どもに気づきを与え、環境問題を考える学習になると思いました。
あの東北地方太平洋沖に巨大地震が発生し、一年が過ぎました。私たちは、大震災を受けた人々と、日々の祈りの中でともにあります。植林の苦労も水泡に帰したなと思っておりました矢先、先日テレビ報道で漁民の方々が植林を開始されている姿をみました。震災で荒れた海の復興がここからも始まったのだなと感じました。そして、日本人の固有の気質・文化に敬意をもちました。

○ 前方後円墳だったガイアの森に眠る古代の人々は、吉野ヶ里から脊振山を越え、那珂川流域に渡る農耕文化圏の一員でした。流域の平地は豊かな作物を産みました。その森の緑は植物の輪廻をくり返し、今に生命を伝えます。
緑の中を子どもたちが駆け回ります。子どもが遊び、木を植え、その緑を次の世代に伝えていきます。
そこに神様の御心を感じます。神様が望まれた学びの姿が、ここ福岡海星のキャンパスに存在します。
 いかがですか。みなさんで木を植えましょう。