FC2ブログ
  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第20号 平成24年2月15日 副校長 高木 義則

 公開学芸会目前

 
 本年度最後の大きな行事、学芸会に向けて子ども達はその仕上げに一生懸命です。劇では演技の練習はもとより皆で衣装や小道具を準備したり背景画を描いたりと大忙しです。その様子は、海星のホームページ「Today海星小」で公開しています。どうぞご覧ください。この「Today海星小」これまでは一部の先生にお任せしていたため、更新がままならず、保護者の皆様の期待に十分に応えられない状況でした。そこで、冬休み中に研修を行い、現在は全員で更新する体制が整いました。今後は日々の子ども達の活動の様子を詳細にお伝えできると思います。
今日は「校内学芸会」そして土曜日18日は保護者の皆様に見ていただく「公開学芸会」いよいよ本番です。子ども達が練習の成果を見せてくれるか、私たち職員もワクワク・ドキドキです。実は私は、この劇の指導が大好きです。子ども達が自分の役になりきり、台詞の言い方を考えたり、動作を考えたりする姿はとても素敵です。そして、その演技が徐々に磨かれ、完成に近づく過程を見つめていくこと、本当に教師冥利につきます。でも、以前はこの劇の指導が、かなり苦手で、学芸会ではいつも苦戦していました。それが、いつ変わったかというと・・・・。
 30代の始めの頃、同じ学校に劇の指導が上手だと評判の先生がいました。そこで、仲間の教師数人とその指導の様子を見せていただきました。その時の衝撃は今でも忘れられません。それは、当時の六年生教科書教材、狂言「附子」を劇化したものでした。体育館に入ると、ステージには一人しか立っていません。その一人に対して、先生の静かではありますが、厳しい言葉が投げかけられていました。 「その台詞は、どんな気持ちで言っているの?」「その言い方では、伝わってこない!」等々・・・・。その子は何度も何度もやり直しをさせられていました。一緒に見学していた先生方からは、「あの子、かわいそう」「あんなに追いこむなんて、ひどい」等の非難の声が聞こえてきました。
子どもの指導には定評のあるその先生のその日の姿には、私も首をかしげました。そして、その疑問の答えは学芸会の当日にありました。
 劇が始まって最初の場面。まだ、開かない幕の前で、小僧さん達に内緒で、こっそり壷に入った飴をおいしそうに舐める和尚さんをたった一人で見事に演じているのは、あの日ベソをかきながら練習していた、まさにあの子でした。会場からはその演技に対し感嘆と称賛の声があちらこちらから漏れ聞こえてきました。その最初の流れを切ることなく、その劇は見ている保護者の人々に大きな感動を与え終えました。私はやっと解りました。その先生は、全ての子ども達に、脚本を読み込ませ、「理解」させ、そして個々に応じて課題を与え、その「表現」を子ども達自身に考えさせていたことが。子ども達と心がつながっていなければ、とてもできない、あの厳しい指導もし、見事な解釈と演技を引き出していたことを。そして、その本番での子ども達の演技を優しい笑顔で見つめているその先生の姿に、真の教師とは何かを考えさせられました。子ども達を信じているからこそ待てる、出来る事ことでした。
私が劇の指導で苦しんだのは、自分の薄っぺらな「理解」と「表現」を子ども達に押しつけようとしていたためだったのです。大切なのは、教師が教えることではなく、子どもたち自身に考えさせ表現させること。そして、それができる関係の構築でした。その後はこの考え方で指導し、「子ども達、すごいね」「本当にいい劇だったね」などの子ども達への称賛の声を多くいただくことができました。教師としての喜びと子ども達とのたくさんの想い出もできました。それで、私は今も劇指導が大好きです。
 子ども達にとって、この学芸会の体験は、進級に向けて大きくステップアップするチャンスでもあります。特に中学校への進学を間近にした六年生にとって、この学芸会がこれからそれぞれの道を行く、分かれていく仲間との、良き想い出の一つとなることを祈らずにはいられません。
 来年度、最上級生となる5年生も着々とその心の準備が進んでいます。先日も恒例となっていますマリアロビーのお雛様の飾り付けを5年生が行ってくれました。展示例の雛壇の写真を見ながら楽しそうに黙々と飾り付けを行う子ども達の姿を見て、たくましく思いました。実はこのお雛様の道具類が少し古くなり痛んできたので、買い替えを考えていました。ただ高価なもので悩んでいたところ、たまたま相談にいった博多網場町の宝屋人形店の方が本校の卒業生ということで、ほとんど寄付に近い値段で譲っていただきました。本校の絆の素晴らしさを感じた時でした。ありがとうございました。この雛飾りは3月5日まで展示しています。