福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第11号 平成23年10月 1日 校長 山田 耕司

動くから動物 ~旭山動物園~       

○ 9月21日から24日まで3泊4日の本学院高等学校の「北海道」修学旅行を引率しました。北海道旭川市(人口35万人の北海道第2の都市)に日本最北の動物園があります。「北の子どもたちにも動物園の楽しみを」の願いから札幌・帯広に続いて1967年に開園しました。開園当初は年間40万人の入場者がありましたが、1997年にエキノコックス症(キタキツネ等が媒介、人間にも感染)でゴリラとキツネザルが死亡し、一時営業を中止します。そして、1996年には入園者が26万人に激減してしまい、閉園の危機が訪れます。閉園すれば貰い手のない動物たちには死が待っているだけでした。翌年、園長や飼育係の一念発起で「行動展示型動物園」への転換が図られます。この様子が、2005年11月、NHK「プロジェクトX~挑戦者たち~旭山動物園・ペンギン翔ぶ~」で取り上げられますと、全国的な大反響となりました。私もその放映を間近に見、その発想・アイディア・実行に感銘したのを今でも覚えています。                           
○ 「動くから動物。」
動物たちの特徴的な行動や習性が見られるのは「食べている時」です。昼間、大分安心院のアフリカンサファリ等を訪れましても猛獣たちは寝ております。餌を求めて行動する様子や食べている様子等、飼育展示係のお兄さんお姉さんの説明を聞きながら観察してもらう。こんな動物園にしよう。旭山の仲間たちは考えました。飼育展示係による手作り看板(動物の説明)は、愛情こめて一つ一つ手作りで製作されています。今伝えたい生の声を気持ちをこめて発信しています。それは、子どもたちの疑問や質問に丁寧に答える内容です。そして、2007年年間入場者は355万人に達しました。パンダ展示で著名な東京上野動物園を抜いて日本一の動物園になりました。           
○ 旭山動物園は、福岡の動物園と比べれば、小さな小さな動物園です。旭川市東部の小高い山の斜面に作られています。坂道ばかりの園内の移動は大変です。それでも「あざらし館」「ぺんぎん館」「ほっきょくぐま館」には、もぐもぐタイムをねらって長蛇の列ができます。今では、日本各地に「行動展示型」の動物園が増えました。でも、愛情いっぱいの手作り看板は、旭山のまねをすることは難しいようです。旭川は冬には零下30度になります。日本で最低気温を記録した町です。冬の気候を生かした展示にも人気があります。スタッフと動物の営みには歴史があります。一朝一夕でできるものではないようです。ここは、訪れる誰もがほっこりと癒しをもらえる動物園(人と動物の営み園)です。
○ 昨年は穴巣から出てこなかったシンリンオオカミの行動が今年は見れました。しかも3頭の赤ちゃんが生まれ5頭の家族になっていました。シンリンオオカミは、カナダに分布しています。日本固有種のニホンオオカミとエゾオオカミは明治時代後半に開墾や開拓の犠牲となり絶滅しました。そのエピソードが手作り看板に説明されています。人間と地球生物の共存は非常に困難を伴うものと深く考えさせられました。同じ悲劇は今もマダガスカルやブラジルをはじめ地球の各地で進められています。
○ ガイアの森の植樹「わたし ぼくの木」がベリー類の植え付けから始まりました。ベリー類は特に水分の補給が欠かせません。自分の木を育てながら、地球環境問題を自らの行動を通して学びます。神様から与えられた生命(いのち)には、人間も動物も植物も等しく神様からの使命が内在します。人間がその知恵「科学」に偏向しますと、今回のような予期できぬ原子力発電所の事故とその後遺症に繋がります。海星っ子が、神様や自然と向かい合いながら、ゆっくりとじっくりと考える考え合う時間が、ゆったりと流れる海星のキャンパスです。秋になりました。来週6年生は海星小学校のルーツを訪ねて、長崎・雲仙・熊本への修学旅行に出かけます。