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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第8号 平成23年7月15日 副校長 高木 義則

  読書のすすめ  

 7月1日・2日、1~4年生の子たちを引率して脊振へ夏季合宿に行ってきました。この合宿で2・4年生は下級生のお世話で一生懸命、そして大きく成長してくれました。また、宿泊の夜には「お家に帰りたい」と訴える1年生が毎年1・2名いるのですが、今年はそんな子が全くいませんでした。これも上級生の優しいお世話のたまものです。帰校の際、「楽しかった!」との1年生の声があちらこちらから聞こえ、私もとても嬉しくなりました。
 次の週には5・6年生の子ども達を連れて2泊3日のサマーキャンプで北山に行ってきました。これは、アメリカの留学生(AC)十数名と自然の中で活動を共にしながら英会話の実践的トレーニングもする行事です。今年は原発・放射能の影響もあり来日してくれるのだろうか、との不安もありましたが無事に来日・来福。ただ例年に比べその時期が遅れたためでしょうか、本校との交流が来日して最初の交流だったそうです。ACの学生さん達が不慣れで活動は大丈夫だろうかと正直心配もしていました。ところが活動の後、日本人スタッフの方とお話をしますと、「海星の子たち誰もが本当に積極的に話しかけてくれたおかげで、ACの人たちが勇気づけられ、自信を持ってくれた。」と感謝の言葉をいただきました。本校の子ども達の英語力とその積極性が認められた、これも嬉しい行事となりました。
 いよいよ明日は終業式、そして子ども達が待ちに待った夏休みがスタートします。ご家庭でもそれぞれご計画はあるとは思いますが、この夏休みに是非ご家族で試みて欲しいことがあります。それは読書です。本校では本年度から2年生を中心に読書活動推進の取組を始めました。
 20数年前、国語科の研修サークルの仲間7・8名と学力と読書の相関度を調査したことがあります。具体的には、自費で国語科と算数科の学力診断テストと読書力診断テストの用紙を購入し、クラスの子ども達に実施、採点後、その二つのテストの結果を相関図としてまとめ、持ち寄り皆で論議しました。読書の好きな子は学力も高いであろうという漠然とした予測はもちろんあった訳ですが、その結果は私達の予測をはるかに超える高い相関度を示しました。「国語科の授業の時間は、私達が下手な授業をするよりは、子ども達にひたすら読書をさせた方が学力はつくのでは…」と皆で語り合い、苦笑いをしたことを懐かしく思い出します。勿論学校教育では、教科書があり、その内容を学ばせることを通して、計画的に意図的に身につけさせたい能力・言語感覚があります。それを「わかる、楽しい」という想いと共に身につけてもらうことを夢見ながら私達教師は、日々教材研究し、授業の工夫をしているわけです。それはとても価値の高い事であることは皆充分理解しているわけですが、そう思わずにはいられないほど読書と学力の相関度が高かったということです。
 私は、今人気の石田衣良氏の作品も多く読んでいます。彼の作品はハードな内容も多いのですが、その中には心癒される言葉、共感させられる言葉、考えさせられる言葉が数多く散りばめられています。どうして、そんな言葉が次々と生れてくるのか驚きを感じます。そんな彼が最近はコメンテーターとしても活躍していることも良く理解できます。伝え聞くところでは、彼は少年時代から大変な読書家で、三つの図書館からそれぞれ週4・5冊の本を借り、それでも足りず文庫本を購入していたそうです。 「人が本を読むのは、人生が二度ないからだ」 これは私が何かの本で出会った言葉です。彼の作品世界の多様さ、感性の豊かさ、そして登場人物を通して語りかけられる、本当の人間の優しさ・強さへの想いは、若き日の読書による多くの人との出会いの賜物だと感じます。読書を通して身につくものが学力だけではないことの一つの例ではないでしょうか。
 2年生の藤野先生の話によると、1学期の初めから読書に取り組んだ子ども達、半数の子はもうすでに30冊を超え、最も多く読んでいる子は80冊以上をもう読み終えているそうです。
猛暑と節電の夏。窓をいっぱい開け、自然の風を受けながらの親子で読書。これも懐かしい素敵な風景ですね。