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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第2号 平成23年4月15日 副校長 高木義則

  海 星 で の 夢 は

 今年の入学式は、満開の桜のもとに迎えることができました。近年ではとても珍しいことです。その桜の木を背景に笑顔で記念写真を撮る保護者の皆さんの姿を見るもの本当に久しぶりで、数十年前に戻ったような気分になりました。その後の高校の入学式、マリア幼稚園の入園式も満開の桜と青空のもとでの挙式となりました。それは震災で大きな傷を負った私たちを、何か大きな力が励ましてくれていると感じました。その桜も少しずつ散り始めていますが、その姿もまた美しく、その舞い散る桜の中を元気に駆け回る子ども達の姿は本当にかわいらしく、癒されます。校舎の隅には風に運ばれたピンクの花弁がたくさん。それを手ですくい、飛ばし遊ぶ子ども達の姿もまた微笑ましく映ります。こんな姿が見られるのも海星ならではのことです。
 こんな素敵な春は、私にとりましては海星で三年目の春となります。そして、美しく豊かな自然の中で伸び伸びと活動する子ども達の姿を見ていると、海星ならではの新しい夢が次々と生まれてきます。昨年1階の屋上スペースを活用しての「あおぞら広場」開設もその一つです。ニュージーランドとの国際交流、ガイアの森の整備やキウイ棚の設置もその夢の実現です。こういった私達、教育に携わる者の夢の実現は公立学校の方が少しハードルは高いようです。それは、予算の問題や他校とのバランス等の問題もあり仕方のないことかもしれません。
 私学である私たち海星の一番大きな利点は、私たち教師の想いが公立校に比べずっと長くつながっていくことです。ご存知かもしれませんが、現在公立学校のほとんどの校長・教頭先生は2~4年在籍すれば他の学校へ移動します。担任の先生方は最大で6年しか在籍できません。ですから、子ども達のため、熱い想いで何かを行っても、改革しても10年もたたないうちに、その想いを知っている人は皆無となる可能性が大です。
 今から60年ほど前に斉藤喜博という校長先生がいました。昭和を代表する教育実践家の一人です。群馬県の島小学校で11年校長を務め、その間全国から一万人近い参観者があったと伝えられています。子ども達一人ひとりの可能性を引き出す学校づくりに、同じ想いの先生方と共に取り組んだ方です。しかし、その後、口の悪い人々からは「斉藤喜博なきあと、島小に教育はなかった」と評されましたが、これは仕方のないことです。一人の校長が同じ学校に11年も在籍することは現在では考えられませんが、11年在籍して大きなことを成し遂げたにしても、年を経て、人が変わっていけばそれはほとんど失われていきます。それでも、斉藤喜博と共に取り組んだ一人ひとりの心の中にはその想いがしっかりと残り、それが次の学校に伝わっていく。それを信じて勇気を持って学校改革に取り組むしかありません。これは公立学校の宿命です。私も公立学校在籍の折は、来年はこの学校にいないかもしれないという思いが常にありました。それでも、今自分が子ども達のためにできることを、それを一年間精一杯やっていこう…。その想いだけで日々過ごしていました。
 この海星では、先生方の異動は基本的にありませんので、皆が一つの願い・想いを持ち実践していけば、かなり中身の濃い成果が望めます。また、長期間その想いを引き継いでいくことも難しいことではありません。時とともに子ども達を取り巻く環境は変化し、保護者の方の願いも変化していきます。それに伴って、その手法は変わっていかなければなりませんが。私たちの海星も、時代に合わせ少しずつ変わっていく必要があります。その時には島小の例を見るまでもなく職員が気持ちを一つになることが重要です。また保護者の皆様にも、その主旨をご理解いただき、一つの気持ちで支援していただくこともとても重要です。
本年度の本校の経営方針・運営方針については21日の参観・懇談の後の保護者会で山田校長より話があると思いますが、その一つを先取りしてお話しますと、「読書活動の推進」があります。4月中に子ども達と保護者の皆様、そして教職員のお勧めの10冊を調査します。それを集約して、「海星100冊」を選定したいと思います。ご協力ください。集約結果がとても楽しみです。