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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校の校長室から】第22号 平成23年3月17日 副校長 高木義則

大 震 災 に
 卒業式を控えた11日の金曜日、6年生の感謝のミサを終えた4時半過ぎにその悲報に接しました。ディズニーランドが水没したとの話も聞こえ、インターネットで情報を探ると津波で押し流される車の映像が現れ、驚きました。ミサを終えた6年生保護者の方々からもざわめきの声が聞こえます。それぞれ、東北・関東地方に在住のご親戚・お知り合いの方々の心配をされている様子が伝わってきます。皆さんの関わりのある方はご無事だったでしょうか。ご無事が確認できるまで、必死に連絡を取られたことでしょう。連絡が取れましたでしょうか。
 私も教師としての出発の地、千葉をはじめ関東一円にお世話になった先輩、友人、教え子が在住しています。金曜から必死に連絡を取り続けました。最初に教え子の一人と連絡が取れ、無事を確認しました。彼は私からの電話をとても驚き、そして10分に1度くらい余震が続いていること、ディズニーランドの駐車場が地震による液状化現象で水浸しになっているとの情報を得ました。夜遅くに東京に勤務している教え子と連絡が取れ、今夜は帰宅できず会社の事務所に泊まること、食事ができず、菓子を少し食べただけとの情報を得ました。彼女からは、早朝に会社を出、帰宅しようとして交通機関がままならず、困っているとのこと。結局、2時半過ぎに友人の車に送ってもらって自宅に帰りついたそうです。通常であれば1時間足らずで帰宅できる場所です。その後、教え子達と少しずつ連絡が取れ始めましたが、どの子(皆40歳半ばですが)も、「地震は何度も体験したが今度の地震は本当に怖かった、ダメだと思った。」と伝えてきました。また、九州にも津波注意報が出ていたことで、かえってこちらのことを心配してくれました。
 茨城に住む親友のS先生にはなかなか連絡が取れず心配していましたが、12日の夜遅くにやっと連絡が取れました。家の中は多くの書物・家具類が落下し、足の踏み場もない有様だが元気だということです。電気が来ないのでラジオでしか情報が取れないとのことなので、こちらから情報を提供しました。最後の彼の言葉、「変わらぬ友情に感謝する」の言葉が心に沁みました。結局、関東在住の友人・知人20数名の全ての安全が確認できたのは13日の昼過ぎでした。ただ、今はもう連絡を取り合っていませんが、若き日に熱く子どもを語り、教育論・授業論を語り合った仲間達、そして、たくさん教え子達は無事であろうか、心配です。ただ、日頃疎遠になりがちの人々と互いの想いを伝えあう機会となり、人は人のことをこんなにも心配できることを感じられたことは自分の中では大きなことでした。
 被害の少なかった関東地区に友人を持つ私でさえこんな有様でしたから、甚大な被害が出ている東北地方に友人・知人、あるいはご家族をお持ちの方の心配は如何ばかりかと、それを思うと言葉になりません。
阪神大震災の折、多くの若者たちが被災者の方のためにボランティアで懸命に活動する姿が多くの人の共感を呼び、「近頃の若者は…」と日頃嘆いていた大人達の反省の契機となりました。国難とも言える大災害は、まだ終末が見えません。全ての人々が多くの不安を抱え、深い悲しみの中にある今、だからこそ、阪神大震災のあの若者達のように日頃は見えにくい人間の本来的な良さ、日本人固有の美徳のようなものが発揮されることを願います。そのことが、今日本を支え、支援をしてくださっている世界の人々に大きな勇気を与え、最高のお返しになると思えます。
 日本はこんな大災害の折、略奪や暴動の起こらない唯一の国だという国際的な評価もありますが、ここ数日略奪まがいのことも起こっているとのニュースも聞こえ、心が痛みます。こんな時にこそ、その人の持つ本質が見えてきます。心したいものです。他に何かを求め、批判することに終始し、自身はあまり動かない人。あの若者たちのように多くを語らず、自分のできることからまず始める人。残念ながら、人は二つに分かれるようです。私は後者でありたいと願います。