【小学校-校長室から】自己回復力(レジリエンス)
教 頭 松本 裕子
〇先週12日の土曜日は、夏の公開参観日とみこころのつどいがありました。今年もコロナ禍でしたので、外部の入学希望者の方のみの参加となりました。保護者の皆さまには、ご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、マリアロビーやフランシスコホールには、たくさんの色鮮やかな紫陽花の花を飾ることができ、みこころのつどいも無事に終えることができました。みこころのつどいでは、「放蕩息子」のお話を紙芝居で宗教委員会の子どもたちが演じました。
お兄さん・弟・お父さん・召使・弟の友だちとそれぞれの立場で気持ちを聴き合いました。その後の子どもたちの作文では「お父さんは息子(弟)が財産を全て使い果たして家に帰ってきたのに、ご馳走を準備して許してあげたのは、どうしてだろう」と疑問を持ちながらも、「お父さんは神さまで弟が回心したので許してあげたのだろうと思います」と感じていました。
〇自己回復力(レジリエンス)をご存知ですか。
「カウンセリングだより6月号」に大庭先生が紹介しておられました。自己回復力とは、私たちが失敗したり、事故災害にあったり、親しい人に別れたりした時、私はもう立ち直れないと思うことがあります。「レジリエンス」は、それらの困難な思いを立ち直らせる力のことを言います。例えば、金属の板などが曲げられても元に戻ろうとするような力のことを意味します。立ち直って元気になろうとする力です。
〇私たちの周りには貧困や戦争などで恵まれない環境で育った子どもたちがいます。中には、体や心の発育が十分ではなく、問題行動を起こしてしまう子どももいます。しかし、そんな悪い環境の中でも素直に元気に育っている子どもも少なくありません。その子自身が持っている心の強さがレジリエンスなのです。
人は、落ち込みから立ち直る時、元の状態に戻るだけではありません。その経験を経て、人間として成長することができるのです。失くしたものは戻ってきませんが、心の刻み込まれた悲しみの記憶は、命をいつくしむ心となり、自分を支えてくれた周りの人への感謝となり、一連の経験が「立ち直れる見通しと自信」となって残り、その人のレジリエンスを高めてくれるのです。
〇レジリエンスは、「頭の中のある特別なはたらき」というよりもさまざまな心の力が合わさったものです。例えば、自分のことを好きだと思っている人はレジリエンスも高いと言われています。つまり、自尊感情が高い人は、レジリエンスが高いということになります。そして、周りの人との関係性がレジリエンスを支えてくれるものになります。レジリエンスは、よりよく生きるための「総合力」。「元気」「しなやか」「へこたれない」の3つの支える力が必要です。成功体験を重ねることでこの力は育ちます。
〇海星っ子の「自尊感情」はいかがでしょうか?
子どもたちに「自分の好きなところはどこ?」「いいところは?」と尋ねると謙遜しているのでしょうか、「ない」という答えが返ってくることがあります。
このように、マイナス思考のパターンを「心のウイルス」と表現する心理学者もいます。「心のウイルス」は、妬みや嫉み、欲望などに例えられることもあります。人は他者と比べることで、このようなマイナス思考が生まれる傾向にあります。このウイルスの特効薬は、「愛」と言われています。子どもを褒める代わりにスパルタ式に困難を体験させレジリエンスが育つと勘違いされる方もいらっしゃいますが、レジリエンスは、安心、安全な環境の中で、人とつながりながら、伸び伸びと学ぶ中でこそ育まれるものです。
〇今日も海星っ子たちは、豊かな環境の中で友だちや先生、神さまと関わりながら「元気」に「しなやかな」心を育みながら「へこたれない」精神力を培っております。
*参考文献 「上島 博著 子どものレジリエンス:元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク」
〇先週12日の土曜日は、夏の公開参観日とみこころのつどいがありました。今年もコロナ禍でしたので、外部の入学希望者の方のみの参加となりました。保護者の皆さまには、ご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、マリアロビーやフランシスコホールには、たくさんの色鮮やかな紫陽花の花を飾ることができ、みこころのつどいも無事に終えることができました。みこころのつどいでは、「放蕩息子」のお話を紙芝居で宗教委員会の子どもたちが演じました。
お兄さん・弟・お父さん・召使・弟の友だちとそれぞれの立場で気持ちを聴き合いました。その後の子どもたちの作文では「お父さんは息子(弟)が財産を全て使い果たして家に帰ってきたのに、ご馳走を準備して許してあげたのは、どうしてだろう」と疑問を持ちながらも、「お父さんは神さまで弟が回心したので許してあげたのだろうと思います」と感じていました。
〇自己回復力(レジリエンス)をご存知ですか。
「カウンセリングだより6月号」に大庭先生が紹介しておられました。自己回復力とは、私たちが失敗したり、事故災害にあったり、親しい人に別れたりした時、私はもう立ち直れないと思うことがあります。「レジリエンス」は、それらの困難な思いを立ち直らせる力のことを言います。例えば、金属の板などが曲げられても元に戻ろうとするような力のことを意味します。立ち直って元気になろうとする力です。
〇私たちの周りには貧困や戦争などで恵まれない環境で育った子どもたちがいます。中には、体や心の発育が十分ではなく、問題行動を起こしてしまう子どももいます。しかし、そんな悪い環境の中でも素直に元気に育っている子どもも少なくありません。その子自身が持っている心の強さがレジリエンスなのです。
人は、落ち込みから立ち直る時、元の状態に戻るだけではありません。その経験を経て、人間として成長することができるのです。失くしたものは戻ってきませんが、心の刻み込まれた悲しみの記憶は、命をいつくしむ心となり、自分を支えてくれた周りの人への感謝となり、一連の経験が「立ち直れる見通しと自信」となって残り、その人のレジリエンスを高めてくれるのです。
〇レジリエンスは、「頭の中のある特別なはたらき」というよりもさまざまな心の力が合わさったものです。例えば、自分のことを好きだと思っている人はレジリエンスも高いと言われています。つまり、自尊感情が高い人は、レジリエンスが高いということになります。そして、周りの人との関係性がレジリエンスを支えてくれるものになります。レジリエンスは、よりよく生きるための「総合力」。「元気」「しなやか」「へこたれない」の3つの支える力が必要です。成功体験を重ねることでこの力は育ちます。
〇海星っ子の「自尊感情」はいかがでしょうか?
子どもたちに「自分の好きなところはどこ?」「いいところは?」と尋ねると謙遜しているのでしょうか、「ない」という答えが返ってくることがあります。
このように、マイナス思考のパターンを「心のウイルス」と表現する心理学者もいます。「心のウイルス」は、妬みや嫉み、欲望などに例えられることもあります。人は他者と比べることで、このようなマイナス思考が生まれる傾向にあります。このウイルスの特効薬は、「愛」と言われています。子どもを褒める代わりにスパルタ式に困難を体験させレジリエンスが育つと勘違いされる方もいらっしゃいますが、レジリエンスは、安心、安全な環境の中で、人とつながりながら、伸び伸びと学ぶ中でこそ育まれるものです。
〇今日も海星っ子たちは、豊かな環境の中で友だちや先生、神さまと関わりながら「元気」に「しなやかな」心を育みながら「へこたれない」精神力を培っております。
*参考文献 「上島 博著 子どものレジリエンス:元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク」
【小学校-校長室から】親が子どもを叱る
校長 山 田 耕 司
はじめに
○ 新型コロナウイルス禍は、家庭生活における親子関係に様々な影響を及ぼしていることでしょう。お宅さまは如何ですか?改めて親子の関係を見つめ直す機会をもたらす今、東京都の小学校・中学校の保護者を対象に調査が行われました(回答者:母親87%父親11%その他2%)。調査項目は5つです。
その結果報告です。どうぞお役立てください。
調査の実際は
○ 問1「ご自身を振り返ると、現在、叱るべき時に子どもをきちんと叱っていますか。次の4つの中から一つ選んでください」
①うまくいっている(7%)
②どちらかというとうまくいっている方だ(69%)
③どちらかというとうまくいってない方だ(21%)
④うまくいってない(3%)
特異な社会状況の中でも健全な親子関係が営まれている傾向の表れであります。一方後出の問5の「叱ることについての親の考え方」の回答と関連させると、ほとんどの家庭が何らかの課題を抱えておられます。
○問2「叱った理由について次の項目の中から3つ以内で選んでください」(選択肢10)
① ゲームに夢中、生活が乱れる(42%)
② 親との約束を守らない(35%)
③ きょうだい間のトラブル(34%)
:
⑩学校や学習塾での成績がよくない(4%)
ところが昨年度の子ども側への調査では上位3つは①学校や学習塾での成績がよくない②ゲームに夢中、生活が乱れる③きょうだい間のトラブルでした。 「叱る・叱られる」の理由に関わる親と子の意識の受け止め方の象徴として興味深いと思います。
○ 問3「叱ったことを子どもがこのように受けてめてほしいと思うことを、次の項目の中から3つ選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
①将来を考えて叱ることは大切(51%)
②自分のいけない所を直すのによい機会(46%)
③うるさいと思うけれど後でありがたい(35%)
このことから叱ったことが子ども自身の内面に深く受け止められ根付いていくことを願っている親の気持ちが推察できます。
○問4「子どもから親への願いです。親として受け止めるべきことと思うものについて次の項目から3つ以内で選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
① 理由を聞かないで叱らないでほしい(61%)
② 親の疲れやストレスをぶつけないでほしい(47%)
③ たまにはほめてほしい(32%)
親として子どもを叱ることについての確認や見直
しのポイントとして、次の問5の自由記述に影響が多かったと思われます。
○問5「親が子どもを叱ることについて、あなたのお考えをお書きください」
①基本的な考えとして
・「叱るべき時にきちんと叱ること」は親としての責任であり大きな役割である。とはいえ、なかなか難しい。
・「自他の命にかかわること」「人を傷つけること(心も含めて)」「人に迷惑をかけること」などを叱らないわけにはいかない。
・𠮟るとは、親と子が互いに尊重し合い、言うべきことをきっちり言うことだと思う。
・暴力や仕置き(体罰)は絶対に避けるべきこと。
・「叱る」と「怒る」の区別をすることが大切である。とはいえ、実際にはなかなか難しい。
・親以外の大人に叱られることが少なくなった今、親がしっかり叱らなくてはと思う。
・叱ることは本当に必要。叱ることを悪とするような風潮が子育てを難しくし、親を追い込んでしまう。
・叱ることは必要ない。納得するまで話し合って、考え、教えていけば何でも解決する。
②叱り方について
・「すぐに」「短く」「後をひかない」を心がけている。
・叱る基準の軸を動かさないことが大切。
・頭ごなしに叱らない。子どもの考えや気持ちも聴くようにする。
・追いつめる、おさえ込むような叱り方はしない。
・まずは子どもの気持ちを聴くことが大切とわかっているが、一方的になりがち、反省。
・「叱る」と「怒る」は違うとわかっているが、真剣に叱っていると(興奮しているかな、怒っているかな)と立ち止まることがある。
・「よいことをしたらほめる、悪いことをしたら叱る」子育ての原点、やり方はその家庭なりに。
・「ほめること」と「叱ること」のバランスをその子なりに考えて、意欲を引き出したい。
・日頃の親子関係ができていれば、親の気持ちは必ず伝わると信じている。
③その他
・じっくりと子どもと向き合う時間がたりない。
・互いに相手を大切にする家庭環境・家族関係をつくることが第一である。
「叱る」と「怒る」の区別は、頭ではわかっていても実際の場面ではなかなかうまくいきません。日常の親子の関係づくりが大切なこともわかります。「親が子を叱ること」に反対する意見も一部あります。
おわりに
○ 「叱る」とは、理性的に子どもに対して諭す、戒め
ることです。「怒る」とは感情的に一方的に子どもをとがめること責めることです。
「叱る」つもりがいつの間にか子どもの反応や自分の言葉に酔って「怒り」へと進行する経験を多くの大人がもっています。子どもの年齢や発達段階、性格、気質によって受け止め方や反応は様々です。そこに親の期待に反した結果や反応を見ますと、失望したり不満足になったり怒りが増長したりします。それは親の規範意識(思考や認識の物差し)に左右されます。
○ 「叱ること」と「ほめること」は子育てにおいて表裏一体でしょう。子どもが「ほめられている」と感じているとき、しっかりほめること、「叱られている」と受け止めているとき、わかりやすく叱ることが大切だと思っております。仏教に「啐啄同時」(そったくどうじ)という教えがあります。その時の親子の呼吸や間合いが大切です。互いに関わりをもとうとする意志が働くことが大切ですね。そこには家庭環境(家族・人・住居・自然・精神)が整うよう努力を重ねてこられたご家庭の「文化」が必ずや生きております。
○ 5月17日の日経新聞夕刊で「『子に体罰』親の3割超」の記事を読みました。厚労省の調査結果です。
18歳以下の子どもに親が「しつけ」名目で、半年以内に体罰をあたえたという人が3割超いることが、厚労省の実態調査で明らかになりました。
育児のストレスと関係があります。コロナ禍が膠着する中、益々犠牲者が増加することが懸念されます。「子どものほほをたたく」「長時間正座させる」「夕食をあたえない」などの行為が目立ちます。
全国的に人材を育てる教育に偏向し「ひとを育てる」教育が軽視される今、すべての家庭に警鐘を鳴らす記事です。
ご一緒に考えてみましょう。
はじめに
○ 新型コロナウイルス禍は、家庭生活における親子関係に様々な影響を及ぼしていることでしょう。お宅さまは如何ですか?改めて親子の関係を見つめ直す機会をもたらす今、東京都の小学校・中学校の保護者を対象に調査が行われました(回答者:母親87%父親11%その他2%)。調査項目は5つです。
その結果報告です。どうぞお役立てください。
調査の実際は
○ 問1「ご自身を振り返ると、現在、叱るべき時に子どもをきちんと叱っていますか。次の4つの中から一つ選んでください」
①うまくいっている(7%)
②どちらかというとうまくいっている方だ(69%)
③どちらかというとうまくいってない方だ(21%)
④うまくいってない(3%)
特異な社会状況の中でも健全な親子関係が営まれている傾向の表れであります。一方後出の問5の「叱ることについての親の考え方」の回答と関連させると、ほとんどの家庭が何らかの課題を抱えておられます。
○問2「叱った理由について次の項目の中から3つ以内で選んでください」(選択肢10)
① ゲームに夢中、生活が乱れる(42%)
② 親との約束を守らない(35%)
③ きょうだい間のトラブル(34%)
:
⑩学校や学習塾での成績がよくない(4%)
ところが昨年度の子ども側への調査では上位3つは①学校や学習塾での成績がよくない②ゲームに夢中、生活が乱れる③きょうだい間のトラブルでした。 「叱る・叱られる」の理由に関わる親と子の意識の受け止め方の象徴として興味深いと思います。
○ 問3「叱ったことを子どもがこのように受けてめてほしいと思うことを、次の項目の中から3つ選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
①将来を考えて叱ることは大切(51%)
②自分のいけない所を直すのによい機会(46%)
③うるさいと思うけれど後でありがたい(35%)
このことから叱ったことが子ども自身の内面に深く受け止められ根付いていくことを願っている親の気持ちが推察できます。
○問4「子どもから親への願いです。親として受け止めるべきことと思うものについて次の項目から3つ以内で選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
① 理由を聞かないで叱らないでほしい(61%)
② 親の疲れやストレスをぶつけないでほしい(47%)
③ たまにはほめてほしい(32%)
親として子どもを叱ることについての確認や見直
しのポイントとして、次の問5の自由記述に影響が多かったと思われます。
○問5「親が子どもを叱ることについて、あなたのお考えをお書きください」
①基本的な考えとして
・「叱るべき時にきちんと叱ること」は親としての責任であり大きな役割である。とはいえ、なかなか難しい。
・「自他の命にかかわること」「人を傷つけること(心も含めて)」「人に迷惑をかけること」などを叱らないわけにはいかない。
・𠮟るとは、親と子が互いに尊重し合い、言うべきことをきっちり言うことだと思う。
・暴力や仕置き(体罰)は絶対に避けるべきこと。
・「叱る」と「怒る」の区別をすることが大切である。とはいえ、実際にはなかなか難しい。
・親以外の大人に叱られることが少なくなった今、親がしっかり叱らなくてはと思う。
・叱ることは本当に必要。叱ることを悪とするような風潮が子育てを難しくし、親を追い込んでしまう。
・叱ることは必要ない。納得するまで話し合って、考え、教えていけば何でも解決する。
②叱り方について
・「すぐに」「短く」「後をひかない」を心がけている。
・叱る基準の軸を動かさないことが大切。
・頭ごなしに叱らない。子どもの考えや気持ちも聴くようにする。
・追いつめる、おさえ込むような叱り方はしない。
・まずは子どもの気持ちを聴くことが大切とわかっているが、一方的になりがち、反省。
・「叱る」と「怒る」は違うとわかっているが、真剣に叱っていると(興奮しているかな、怒っているかな)と立ち止まることがある。
・「よいことをしたらほめる、悪いことをしたら叱る」子育ての原点、やり方はその家庭なりに。
・「ほめること」と「叱ること」のバランスをその子なりに考えて、意欲を引き出したい。
・日頃の親子関係ができていれば、親の気持ちは必ず伝わると信じている。
③その他
・じっくりと子どもと向き合う時間がたりない。
・互いに相手を大切にする家庭環境・家族関係をつくることが第一である。
「叱る」と「怒る」の区別は、頭ではわかっていても実際の場面ではなかなかうまくいきません。日常の親子の関係づくりが大切なこともわかります。「親が子を叱ること」に反対する意見も一部あります。
おわりに
○ 「叱る」とは、理性的に子どもに対して諭す、戒め
ることです。「怒る」とは感情的に一方的に子どもをとがめること責めることです。
「叱る」つもりがいつの間にか子どもの反応や自分の言葉に酔って「怒り」へと進行する経験を多くの大人がもっています。子どもの年齢や発達段階、性格、気質によって受け止め方や反応は様々です。そこに親の期待に反した結果や反応を見ますと、失望したり不満足になったり怒りが増長したりします。それは親の規範意識(思考や認識の物差し)に左右されます。
○ 「叱ること」と「ほめること」は子育てにおいて表裏一体でしょう。子どもが「ほめられている」と感じているとき、しっかりほめること、「叱られている」と受け止めているとき、わかりやすく叱ることが大切だと思っております。仏教に「啐啄同時」(そったくどうじ)という教えがあります。その時の親子の呼吸や間合いが大切です。互いに関わりをもとうとする意志が働くことが大切ですね。そこには家庭環境(家族・人・住居・自然・精神)が整うよう努力を重ねてこられたご家庭の「文化」が必ずや生きております。
○ 5月17日の日経新聞夕刊で「『子に体罰』親の3割超」の記事を読みました。厚労省の調査結果です。
18歳以下の子どもに親が「しつけ」名目で、半年以内に体罰をあたえたという人が3割超いることが、厚労省の実態調査で明らかになりました。
育児のストレスと関係があります。コロナ禍が膠着する中、益々犠牲者が増加することが懸念されます。「子どものほほをたたく」「長時間正座させる」「夕食をあたえない」などの行為が目立ちます。
全国的に人材を育てる教育に偏向し「ひとを育てる」教育が軽視される今、すべての家庭に警鐘を鳴らす記事です。
ご一緒に考えてみましょう。
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