【小学校-校長室から】1学期の振り返り
教頭 松本 裕子
〇早いもので、あと4日で1学期の終業式を迎えます。
昨年は、学期はじめが新型コロナウイルス感染拡大のため遅れてのスタートでした。今年度は、コロナ禍ではありましたが、できるだけ子どもたちに当たり前の学校生活を送ってもらいたいとコロナ対策を丁寧に講じ、始まりました。子どもたちの1学期を振り返ってみましょう。
〇4月6日、オンラインでの始業式。緊張の中にも、それぞれに進級した子どもたちは、とってもうれしそうです。新しい担任の先生紹介もオンラインでした。各教室からは、歓声の声が上がりました。
〇4月9日、入学式。海星ファミリーに38名のかわいい1年生を迎えました。学院講堂での入学式には、4年生から6年生が参加をして、1年生から3年生は小学校の各教室でリモートでの参加でした。
合唱部の歌声が講堂に響き渡り、1年生を歓迎しました。6年生は、最上級生としての初仕事。受付や1年生の誘導のお世話をしっかりと行い、6年生として自覚する一日となりました。
〇4月22日、歓迎レクリエーション。久しぶりの校外学習で気持ちが逸ります。花畑園芸公園まで、スクールバスを利用して分散で行きました。お天気にも恵まれ、全学年集合後、縦割り班での行動となりました。始めに、運営委員会が企画した〇×クイズをしました。出題クイズは、すべて海星小学校に関係するものばかり。「聖書の△△ページは、ルカによる福音書である。〇か×か」う~ん、先生たちもわからない!その後のお弁当は、広い広場で間隔をとっていただきました。おやつも食べて、広場の遊具で思いっきり遊び、特別な一日を過ごしました。
〇4月23日~5月1日、分散参観・学級懇談会。今年度、初めての授業参観と学級懇談会です。子どもたちの授業の様子は、いかがでしたか。「我が子は、先生の話をきちんと聴けているだろうか」「発表は、積極的にできているだろうか」「ノートは、きれいに書いているだろうか」などなど、心配しながら参観されたのではないでしょうか。一人ひとりの個性を大切にしながら、集団での学びが学校です。子どもが自立(自律)できるように、それぞれの学年の発達段階に応じた教育活動を展開してまいります。これからも、ご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
〇5月28日、マリア様のつどい。13日に予定をしておりましたルルドでのマリア様ミサを、コロナ感染拡大のため変更し、マリアロビーでリモートによるつどいを行いました。「マリア様に倣って、小さなマリアさまになれるよう素直な心を持ちたい」とお祈りを捧げました。
〇6月12日、公開参観・みこころのつどい。今回も外部の方のみの公開参観となりました。おかげ様で、たくさんの海星小学校の入学を検討されていらっしゃる方にお越しいただきました。みこころのつどいは、宗教委員会の子どもたちが司会・進行を務め、2年生がフランシスコホールに参加し、他の学年はリモート参加です。「放蕩息子」のたとえ話からイエス様のみこころを考えました。真面目に毎日働いている兄と財産を使い果たした弟の二人の心の動きを考え、「改心」と「回心」の違いに気づきました。
〇6月14日、平和を考えるつどい。6月19日は、「福岡大空襲の日」です。75年前の悲劇を繰り返さないために戦争について考えました。今年もリモートでのつどいとなりました。「かわいそうなぞう」の読み聞かせを岡﨑先生からしていただき、佐藤先生からマタイによる福音書のみことば「平和をもたらす人は幸いである。その人たちは、神の子とよばれるであろう」についてお話がありました。子どもたちは、神さまに喜ばれるように、学校生活でのけんかも話し合って解決しようと考えました。
〇6月22日~7月9日、各学年水泳学習。1年ぶりの水泳です。2学年ずつの学習で、それぞれの泳力別にインストラクターの先生がついていただき、3回の指導の下、ぐーんと上達して修了証をいただきます。
みんなの吸収力は、すばらしい。最終日には着衣泳の体験を行い、どのようにすれば自分の命を守ることができるかの貴重な体験をしました。
〇6月29日、1~3年夏季体験学習。今年は、宗像市にある「玄海の家」に行きました。3年生がリーダーとなり縦割り班でフィールドビンゴをしました。その後、1年生は、玄海の砂浜で砂遊びをしました。2年生は、砂浜の石にそれぞれ絵を描きました。3年生は、砂浜に漂流したものを調べました。この日の体験は、子どもたちにとって忘れられない思い出になったことでしょう。
〇7月8日・9日、6年生の修学旅行。長崎へ「海星のルーツを探る旅」です。31名全員参加することができ、今年も実り多い旅となりました。生憎の雨模様でしたが、見学やお買い物の時間になると小ぶりになったり、雨がやんだりしました。お留守番をしているみなさんや保護者のみなさまのお祈りが神さまに届いたのでしょうね。無事に1泊2日の旅を終えることができました。今回初めて西海市にある「中浦ジュリアン記念公園」を見学しました。当時、貧しい村で育ったジュリアンのほか3人の少年(12歳から14歳)は、司祭となるための教育を受けます。フランス語はもちろんのこと、西洋医学や音楽も極め、日本の代表としてローマへ渡るのです。400年前にこの小さな町からローマへ船で9年間の歳月をかけて渡ったジュリアンは、当時の教皇様にも謁見します。しかし、日本に帰国後、65歳で捕えられ、西坂で穴吊りの刑で処刑されます。校長先生から、旅の終わりには、「あなたたちと同じ年頃の子どもたちが、今とは違って大変貧しい暮らしの中で、一生懸命勉強をして、ローマへ渡ったのです。自分の足と目と耳を使って、体験したものこそ本物の知識です。それを自分だけの資力にするのではなく、人のために尽くされた人たちのように、将来の自分の仕事をしっかりと考えてください」と話されました。
バスの中では、山田洋次監督の「母と暮らせば」のDVDを観ました。長崎の原爆を背景に修学旅行訪問先の一つ黒崎教会が撮影場所に選ばれ、原爆で息子を亡くし、ひとりで信仰を支えに生きていく母の姿や想いが修学旅行の学びをさらに深めてくれました。
〇7月20日、一学期の終業式です。今回の終業式は、2学年ずつの分散型で、3回に分けてフランシスコホールで行います。
海星小学校は、神さまに導かれて入学してきた子どもたちの集まりです。それぞれの家庭の文化を持ちます。子どもたち同士でその文化を肌で感じながら関わっています。関わりの中で、意見が合わなかったり、けんかをしたり、悩んだりしながら生活をします。その生活に毎週の聖書のみことばが注がれます。子どもの頭(脳)や心が刺激されます。どうぞ、学期末に持ち帰る「みことばファイル」のお子さまの作文を読まれてください。お子さまの心の動きや成長がお分かりになると思います。
〇長い夏休みが始まります。東京オリンピック・パラリンピックもあります。ご家族のみなさま、新型コロナウイルス蔓延予防に努められ、有意義なお休みを過ごされますように、お祈りいたしております。
保護者のみなさまには、一学期の間、学校教育活動にご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。2学期もどうぞよろしくお願いいたします。
〇早いもので、あと4日で1学期の終業式を迎えます。
昨年は、学期はじめが新型コロナウイルス感染拡大のため遅れてのスタートでした。今年度は、コロナ禍ではありましたが、できるだけ子どもたちに当たり前の学校生活を送ってもらいたいとコロナ対策を丁寧に講じ、始まりました。子どもたちの1学期を振り返ってみましょう。
〇4月6日、オンラインでの始業式。緊張の中にも、それぞれに進級した子どもたちは、とってもうれしそうです。新しい担任の先生紹介もオンラインでした。各教室からは、歓声の声が上がりました。
〇4月9日、入学式。海星ファミリーに38名のかわいい1年生を迎えました。学院講堂での入学式には、4年生から6年生が参加をして、1年生から3年生は小学校の各教室でリモートでの参加でした。
合唱部の歌声が講堂に響き渡り、1年生を歓迎しました。6年生は、最上級生としての初仕事。受付や1年生の誘導のお世話をしっかりと行い、6年生として自覚する一日となりました。
〇4月22日、歓迎レクリエーション。久しぶりの校外学習で気持ちが逸ります。花畑園芸公園まで、スクールバスを利用して分散で行きました。お天気にも恵まれ、全学年集合後、縦割り班での行動となりました。始めに、運営委員会が企画した〇×クイズをしました。出題クイズは、すべて海星小学校に関係するものばかり。「聖書の△△ページは、ルカによる福音書である。〇か×か」う~ん、先生たちもわからない!その後のお弁当は、広い広場で間隔をとっていただきました。おやつも食べて、広場の遊具で思いっきり遊び、特別な一日を過ごしました。
〇4月23日~5月1日、分散参観・学級懇談会。今年度、初めての授業参観と学級懇談会です。子どもたちの授業の様子は、いかがでしたか。「我が子は、先生の話をきちんと聴けているだろうか」「発表は、積極的にできているだろうか」「ノートは、きれいに書いているだろうか」などなど、心配しながら参観されたのではないでしょうか。一人ひとりの個性を大切にしながら、集団での学びが学校です。子どもが自立(自律)できるように、それぞれの学年の発達段階に応じた教育活動を展開してまいります。これからも、ご理解とご協力をいただきますよう、お願い申し上げます。
〇5月28日、マリア様のつどい。13日に予定をしておりましたルルドでのマリア様ミサを、コロナ感染拡大のため変更し、マリアロビーでリモートによるつどいを行いました。「マリア様に倣って、小さなマリアさまになれるよう素直な心を持ちたい」とお祈りを捧げました。
〇6月12日、公開参観・みこころのつどい。今回も外部の方のみの公開参観となりました。おかげ様で、たくさんの海星小学校の入学を検討されていらっしゃる方にお越しいただきました。みこころのつどいは、宗教委員会の子どもたちが司会・進行を務め、2年生がフランシスコホールに参加し、他の学年はリモート参加です。「放蕩息子」のたとえ話からイエス様のみこころを考えました。真面目に毎日働いている兄と財産を使い果たした弟の二人の心の動きを考え、「改心」と「回心」の違いに気づきました。
〇6月14日、平和を考えるつどい。6月19日は、「福岡大空襲の日」です。75年前の悲劇を繰り返さないために戦争について考えました。今年もリモートでのつどいとなりました。「かわいそうなぞう」の読み聞かせを岡﨑先生からしていただき、佐藤先生からマタイによる福音書のみことば「平和をもたらす人は幸いである。その人たちは、神の子とよばれるであろう」についてお話がありました。子どもたちは、神さまに喜ばれるように、学校生活でのけんかも話し合って解決しようと考えました。
〇6月22日~7月9日、各学年水泳学習。1年ぶりの水泳です。2学年ずつの学習で、それぞれの泳力別にインストラクターの先生がついていただき、3回の指導の下、ぐーんと上達して修了証をいただきます。
みんなの吸収力は、すばらしい。最終日には着衣泳の体験を行い、どのようにすれば自分の命を守ることができるかの貴重な体験をしました。
〇6月29日、1~3年夏季体験学習。今年は、宗像市にある「玄海の家」に行きました。3年生がリーダーとなり縦割り班でフィールドビンゴをしました。その後、1年生は、玄海の砂浜で砂遊びをしました。2年生は、砂浜の石にそれぞれ絵を描きました。3年生は、砂浜に漂流したものを調べました。この日の体験は、子どもたちにとって忘れられない思い出になったことでしょう。
〇7月8日・9日、6年生の修学旅行。長崎へ「海星のルーツを探る旅」です。31名全員参加することができ、今年も実り多い旅となりました。生憎の雨模様でしたが、見学やお買い物の時間になると小ぶりになったり、雨がやんだりしました。お留守番をしているみなさんや保護者のみなさまのお祈りが神さまに届いたのでしょうね。無事に1泊2日の旅を終えることができました。今回初めて西海市にある「中浦ジュリアン記念公園」を見学しました。当時、貧しい村で育ったジュリアンのほか3人の少年(12歳から14歳)は、司祭となるための教育を受けます。フランス語はもちろんのこと、西洋医学や音楽も極め、日本の代表としてローマへ渡るのです。400年前にこの小さな町からローマへ船で9年間の歳月をかけて渡ったジュリアンは、当時の教皇様にも謁見します。しかし、日本に帰国後、65歳で捕えられ、西坂で穴吊りの刑で処刑されます。校長先生から、旅の終わりには、「あなたたちと同じ年頃の子どもたちが、今とは違って大変貧しい暮らしの中で、一生懸命勉強をして、ローマへ渡ったのです。自分の足と目と耳を使って、体験したものこそ本物の知識です。それを自分だけの資力にするのではなく、人のために尽くされた人たちのように、将来の自分の仕事をしっかりと考えてください」と話されました。
バスの中では、山田洋次監督の「母と暮らせば」のDVDを観ました。長崎の原爆を背景に修学旅行訪問先の一つ黒崎教会が撮影場所に選ばれ、原爆で息子を亡くし、ひとりで信仰を支えに生きていく母の姿や想いが修学旅行の学びをさらに深めてくれました。
〇7月20日、一学期の終業式です。今回の終業式は、2学年ずつの分散型で、3回に分けてフランシスコホールで行います。
海星小学校は、神さまに導かれて入学してきた子どもたちの集まりです。それぞれの家庭の文化を持ちます。子どもたち同士でその文化を肌で感じながら関わっています。関わりの中で、意見が合わなかったり、けんかをしたり、悩んだりしながら生活をします。その生活に毎週の聖書のみことばが注がれます。子どもの頭(脳)や心が刺激されます。どうぞ、学期末に持ち帰る「みことばファイル」のお子さまの作文を読まれてください。お子さまの心の動きや成長がお分かりになると思います。
〇長い夏休みが始まります。東京オリンピック・パラリンピックもあります。ご家族のみなさま、新型コロナウイルス蔓延予防に努められ、有意義なお休みを過ごされますように、お祈りいたしております。
保護者のみなさまには、一学期の間、学校教育活動にご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。2学期もどうぞよろしくお願いいたします。
【小学校-校長室から】なぜ古文を学ぶの
校 長 山 田 耕 司
理科と古文
○ 朝日新聞の投稿欄に高校生が「将来役に立たない理科や古文をなぜ学ぶの」と書きました。その背景には現代文や英語等自らの将来に役立つと思える教科に特化して学びたいという願いがあります。大学受験に特化した勉強をしたいと訴えます。できれば青春も謳歌したいのです。それを読んだ多くの大人が「教養」の必要性を説き投稿しました。
〇 大学に入学しますと、一般的に教養課程で2年間過ごし、その後専門課程の学部で2年間過ごします。医学部・歯学部・獣医学部・薬学部等はさらに2年間を必要とします「教養」は、人格や品位などの人間性を豊かにするとともに人間社会で生きていく上で役に立つような、様々な分野にわたる幅広く深い知識を意味します。単に物事を知っているだけでは不十分で、人間性に結びつき、実際の社会で活用できる状態の知識になっている必要があります。「教養」は、特に人間性を豊かにするという観点から、創造力や心の豊かさなど人間性の発揮に関する古典を含む文学やそのほかの芸術などに対する理解も指します。
教養学部
○ 東京大学・埼玉大学・国際基督教大学等には教養学部があります。リベラル・アーツをコンセプトに教育研究を行う学部です。特定の学問の枠にとどまらずず、人文科学・社会科学・自然科学の幅広い領域を総合的・横断的に取り扱う「分野横断的な学際性」が特徴です。それにより「さまざまな学問分野のエッセンスから、自身の専門分野に関連した幅広い視野を身につけること」や「特定の専門分野に偏らない学識・視点・論理性を身につけること」を目的としていますリベラル・アーツはギリシャ・ローマ時代からルネサンスにかけて一般教養を目的とした音楽・数学・論理学等、諸学科を横断した学際的な学問です。勿論、理科・古文も入ります。
教養は必要です
○ ロンドンに勤務していた折、平成天皇皇后両陛下の英国訪問があり、そのエリザベス女王陛下答礼晩餐会に招待されました。事前に同席者名簿が宮内庁から大使館経由で渡されました。文化人グループ席(8名円卓)です。半数は英国人です。会話が必要ですので、準備をしました。日本の教育・日本食・黒澤映画・日本芸能を先ず日本語でノートにまとめ、英語に翻訳(日本人学校の英人教師のチェックを受け)し、次男を相手に会話の練習をしました。隣席は現天皇陛下の家庭教師(声楽家)の方でした。すぐに会話が途切れ長い沈黙が苦痛でした。その後英国人のホームパーティーに度々呼ばれる機会がありました。手持ちの料理(いなり寿司が人気)は家人にまかせ、会話のための事前準備に勤しみました。支えは持ち前の豊かな好奇心でした。
○ 高校の新教科には「探究」があります。「環境研究」「国際関係」「気候研究」「地域研究」・・・等
小・中学校の既存の教科の枠を越えた内容です。学び方も個人やグループによる課題解決・探究学習、ディベート等の対話的学習を体験します。このような「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、教養も体験も豊かで深くなければなりません。多角的多面的思考のためにも古文も理科も大切です。
進路と小学校の毎日
○ 本校卒業後のご家庭と本人の最大関心事は中学・高校・大学への進路選択です。そのために早い時期から準備をされているご家庭もあります。特に希望大学選択の際、受験科目は大きなポイントとなります。
進路は職業・就職のためのみではありません。同時に豊かな人生も送りたいものです。自然環境・人環境・心の平安がほどよい豊かさであることです。
そこで本校では充実した子どもたちの学校生活を願いコロナ禍であってもできるだけ本校教育計画に沿った授業や学校行事を実施したいと思います。水泳教室・6年生修学旅行・愛校バザー・FSD(運動会)・クリスマス会・学芸会・・・等。低学年のために「科学のひろば」や「ことばの教室」も実践している海星の教育をさらに磨き上げていきたいと思います。
理科と古文
○ 朝日新聞の投稿欄に高校生が「将来役に立たない理科や古文をなぜ学ぶの」と書きました。その背景には現代文や英語等自らの将来に役立つと思える教科に特化して学びたいという願いがあります。大学受験に特化した勉強をしたいと訴えます。できれば青春も謳歌したいのです。それを読んだ多くの大人が「教養」の必要性を説き投稿しました。
〇 大学に入学しますと、一般的に教養課程で2年間過ごし、その後専門課程の学部で2年間過ごします。医学部・歯学部・獣医学部・薬学部等はさらに2年間を必要とします「教養」は、人格や品位などの人間性を豊かにするとともに人間社会で生きていく上で役に立つような、様々な分野にわたる幅広く深い知識を意味します。単に物事を知っているだけでは不十分で、人間性に結びつき、実際の社会で活用できる状態の知識になっている必要があります。「教養」は、特に人間性を豊かにするという観点から、創造力や心の豊かさなど人間性の発揮に関する古典を含む文学やそのほかの芸術などに対する理解も指します。
教養学部
○ 東京大学・埼玉大学・国際基督教大学等には教養学部があります。リベラル・アーツをコンセプトに教育研究を行う学部です。特定の学問の枠にとどまらずず、人文科学・社会科学・自然科学の幅広い領域を総合的・横断的に取り扱う「分野横断的な学際性」が特徴です。それにより「さまざまな学問分野のエッセンスから、自身の専門分野に関連した幅広い視野を身につけること」や「特定の専門分野に偏らない学識・視点・論理性を身につけること」を目的としていますリベラル・アーツはギリシャ・ローマ時代からルネサンスにかけて一般教養を目的とした音楽・数学・論理学等、諸学科を横断した学際的な学問です。勿論、理科・古文も入ります。
教養は必要です
○ ロンドンに勤務していた折、平成天皇皇后両陛下の英国訪問があり、そのエリザベス女王陛下答礼晩餐会に招待されました。事前に同席者名簿が宮内庁から大使館経由で渡されました。文化人グループ席(8名円卓)です。半数は英国人です。会話が必要ですので、準備をしました。日本の教育・日本食・黒澤映画・日本芸能を先ず日本語でノートにまとめ、英語に翻訳(日本人学校の英人教師のチェックを受け)し、次男を相手に会話の練習をしました。隣席は現天皇陛下の家庭教師(声楽家)の方でした。すぐに会話が途切れ長い沈黙が苦痛でした。その後英国人のホームパーティーに度々呼ばれる機会がありました。手持ちの料理(いなり寿司が人気)は家人にまかせ、会話のための事前準備に勤しみました。支えは持ち前の豊かな好奇心でした。
○ 高校の新教科には「探究」があります。「環境研究」「国際関係」「気候研究」「地域研究」・・・等
小・中学校の既存の教科の枠を越えた内容です。学び方も個人やグループによる課題解決・探究学習、ディベート等の対話的学習を体験します。このような「主体的・対話的で深い学び」を実現するためには、教養も体験も豊かで深くなければなりません。多角的多面的思考のためにも古文も理科も大切です。
進路と小学校の毎日
○ 本校卒業後のご家庭と本人の最大関心事は中学・高校・大学への進路選択です。そのために早い時期から準備をされているご家庭もあります。特に希望大学選択の際、受験科目は大きなポイントとなります。
進路は職業・就職のためのみではありません。同時に豊かな人生も送りたいものです。自然環境・人環境・心の平安がほどよい豊かさであることです。
そこで本校では充実した子どもたちの学校生活を願いコロナ禍であってもできるだけ本校教育計画に沿った授業や学校行事を実施したいと思います。水泳教室・6年生修学旅行・愛校バザー・FSD(運動会)・クリスマス会・学芸会・・・等。低学年のために「科学のひろば」や「ことばの教室」も実践している海星の教育をさらに磨き上げていきたいと思います。
【小学校-校長室から】自己回復力(レジリエンス)
教 頭 松本 裕子
〇先週12日の土曜日は、夏の公開参観日とみこころのつどいがありました。今年もコロナ禍でしたので、外部の入学希望者の方のみの参加となりました。保護者の皆さまには、ご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、マリアロビーやフランシスコホールには、たくさんの色鮮やかな紫陽花の花を飾ることができ、みこころのつどいも無事に終えることができました。みこころのつどいでは、「放蕩息子」のお話を紙芝居で宗教委員会の子どもたちが演じました。
お兄さん・弟・お父さん・召使・弟の友だちとそれぞれの立場で気持ちを聴き合いました。その後の子どもたちの作文では「お父さんは息子(弟)が財産を全て使い果たして家に帰ってきたのに、ご馳走を準備して許してあげたのは、どうしてだろう」と疑問を持ちながらも、「お父さんは神さまで弟が回心したので許してあげたのだろうと思います」と感じていました。
〇自己回復力(レジリエンス)をご存知ですか。
「カウンセリングだより6月号」に大庭先生が紹介しておられました。自己回復力とは、私たちが失敗したり、事故災害にあったり、親しい人に別れたりした時、私はもう立ち直れないと思うことがあります。「レジリエンス」は、それらの困難な思いを立ち直らせる力のことを言います。例えば、金属の板などが曲げられても元に戻ろうとするような力のことを意味します。立ち直って元気になろうとする力です。
〇私たちの周りには貧困や戦争などで恵まれない環境で育った子どもたちがいます。中には、体や心の発育が十分ではなく、問題行動を起こしてしまう子どももいます。しかし、そんな悪い環境の中でも素直に元気に育っている子どもも少なくありません。その子自身が持っている心の強さがレジリエンスなのです。
人は、落ち込みから立ち直る時、元の状態に戻るだけではありません。その経験を経て、人間として成長することができるのです。失くしたものは戻ってきませんが、心の刻み込まれた悲しみの記憶は、命をいつくしむ心となり、自分を支えてくれた周りの人への感謝となり、一連の経験が「立ち直れる見通しと自信」となって残り、その人のレジリエンスを高めてくれるのです。
〇レジリエンスは、「頭の中のある特別なはたらき」というよりもさまざまな心の力が合わさったものです。例えば、自分のことを好きだと思っている人はレジリエンスも高いと言われています。つまり、自尊感情が高い人は、レジリエンスが高いということになります。そして、周りの人との関係性がレジリエンスを支えてくれるものになります。レジリエンスは、よりよく生きるための「総合力」。「元気」「しなやか」「へこたれない」の3つの支える力が必要です。成功体験を重ねることでこの力は育ちます。
〇海星っ子の「自尊感情」はいかがでしょうか?
子どもたちに「自分の好きなところはどこ?」「いいところは?」と尋ねると謙遜しているのでしょうか、「ない」という答えが返ってくることがあります。
このように、マイナス思考のパターンを「心のウイルス」と表現する心理学者もいます。「心のウイルス」は、妬みや嫉み、欲望などに例えられることもあります。人は他者と比べることで、このようなマイナス思考が生まれる傾向にあります。このウイルスの特効薬は、「愛」と言われています。子どもを褒める代わりにスパルタ式に困難を体験させレジリエンスが育つと勘違いされる方もいらっしゃいますが、レジリエンスは、安心、安全な環境の中で、人とつながりながら、伸び伸びと学ぶ中でこそ育まれるものです。
〇今日も海星っ子たちは、豊かな環境の中で友だちや先生、神さまと関わりながら「元気」に「しなやかな」心を育みながら「へこたれない」精神力を培っております。
*参考文献 「上島 博著 子どものレジリエンス:元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク」
〇先週12日の土曜日は、夏の公開参観日とみこころのつどいがありました。今年もコロナ禍でしたので、外部の入学希望者の方のみの参加となりました。保護者の皆さまには、ご理解とご協力をいただきまして、誠にありがとうございました。
また、マリアロビーやフランシスコホールには、たくさんの色鮮やかな紫陽花の花を飾ることができ、みこころのつどいも無事に終えることができました。みこころのつどいでは、「放蕩息子」のお話を紙芝居で宗教委員会の子どもたちが演じました。
お兄さん・弟・お父さん・召使・弟の友だちとそれぞれの立場で気持ちを聴き合いました。その後の子どもたちの作文では「お父さんは息子(弟)が財産を全て使い果たして家に帰ってきたのに、ご馳走を準備して許してあげたのは、どうしてだろう」と疑問を持ちながらも、「お父さんは神さまで弟が回心したので許してあげたのだろうと思います」と感じていました。
〇自己回復力(レジリエンス)をご存知ですか。
「カウンセリングだより6月号」に大庭先生が紹介しておられました。自己回復力とは、私たちが失敗したり、事故災害にあったり、親しい人に別れたりした時、私はもう立ち直れないと思うことがあります。「レジリエンス」は、それらの困難な思いを立ち直らせる力のことを言います。例えば、金属の板などが曲げられても元に戻ろうとするような力のことを意味します。立ち直って元気になろうとする力です。
〇私たちの周りには貧困や戦争などで恵まれない環境で育った子どもたちがいます。中には、体や心の発育が十分ではなく、問題行動を起こしてしまう子どももいます。しかし、そんな悪い環境の中でも素直に元気に育っている子どもも少なくありません。その子自身が持っている心の強さがレジリエンスなのです。
人は、落ち込みから立ち直る時、元の状態に戻るだけではありません。その経験を経て、人間として成長することができるのです。失くしたものは戻ってきませんが、心の刻み込まれた悲しみの記憶は、命をいつくしむ心となり、自分を支えてくれた周りの人への感謝となり、一連の経験が「立ち直れる見通しと自信」となって残り、その人のレジリエンスを高めてくれるのです。
〇レジリエンスは、「頭の中のある特別なはたらき」というよりもさまざまな心の力が合わさったものです。例えば、自分のことを好きだと思っている人はレジリエンスも高いと言われています。つまり、自尊感情が高い人は、レジリエンスが高いということになります。そして、周りの人との関係性がレジリエンスを支えてくれるものになります。レジリエンスは、よりよく生きるための「総合力」。「元気」「しなやか」「へこたれない」の3つの支える力が必要です。成功体験を重ねることでこの力は育ちます。
〇海星っ子の「自尊感情」はいかがでしょうか?
子どもたちに「自分の好きなところはどこ?」「いいところは?」と尋ねると謙遜しているのでしょうか、「ない」という答えが返ってくることがあります。
このように、マイナス思考のパターンを「心のウイルス」と表現する心理学者もいます。「心のウイルス」は、妬みや嫉み、欲望などに例えられることもあります。人は他者と比べることで、このようなマイナス思考が生まれる傾向にあります。このウイルスの特効薬は、「愛」と言われています。子どもを褒める代わりにスパルタ式に困難を体験させレジリエンスが育つと勘違いされる方もいらっしゃいますが、レジリエンスは、安心、安全な環境の中で、人とつながりながら、伸び伸びと学ぶ中でこそ育まれるものです。
〇今日も海星っ子たちは、豊かな環境の中で友だちや先生、神さまと関わりながら「元気」に「しなやかな」心を育みながら「へこたれない」精神力を培っております。
*参考文献 「上島 博著 子どものレジリエンス:元気、しなやか、へこたれない心を育てる56のワーク」
【小学校-校長室から】親が子どもを叱る
校長 山 田 耕 司
はじめに
○ 新型コロナウイルス禍は、家庭生活における親子関係に様々な影響を及ぼしていることでしょう。お宅さまは如何ですか?改めて親子の関係を見つめ直す機会をもたらす今、東京都の小学校・中学校の保護者を対象に調査が行われました(回答者:母親87%父親11%その他2%)。調査項目は5つです。
その結果報告です。どうぞお役立てください。
調査の実際は
○ 問1「ご自身を振り返ると、現在、叱るべき時に子どもをきちんと叱っていますか。次の4つの中から一つ選んでください」
①うまくいっている(7%)
②どちらかというとうまくいっている方だ(69%)
③どちらかというとうまくいってない方だ(21%)
④うまくいってない(3%)
特異な社会状況の中でも健全な親子関係が営まれている傾向の表れであります。一方後出の問5の「叱ることについての親の考え方」の回答と関連させると、ほとんどの家庭が何らかの課題を抱えておられます。
○問2「叱った理由について次の項目の中から3つ以内で選んでください」(選択肢10)
① ゲームに夢中、生活が乱れる(42%)
② 親との約束を守らない(35%)
③ きょうだい間のトラブル(34%)
:
⑩学校や学習塾での成績がよくない(4%)
ところが昨年度の子ども側への調査では上位3つは①学校や学習塾での成績がよくない②ゲームに夢中、生活が乱れる③きょうだい間のトラブルでした。 「叱る・叱られる」の理由に関わる親と子の意識の受け止め方の象徴として興味深いと思います。
○ 問3「叱ったことを子どもがこのように受けてめてほしいと思うことを、次の項目の中から3つ選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
①将来を考えて叱ることは大切(51%)
②自分のいけない所を直すのによい機会(46%)
③うるさいと思うけれど後でありがたい(35%)
このことから叱ったことが子ども自身の内面に深く受け止められ根付いていくことを願っている親の気持ちが推察できます。
○問4「子どもから親への願いです。親として受け止めるべきことと思うものについて次の項目から3つ以内で選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
① 理由を聞かないで叱らないでほしい(61%)
② 親の疲れやストレスをぶつけないでほしい(47%)
③ たまにはほめてほしい(32%)
親として子どもを叱ることについての確認や見直
しのポイントとして、次の問5の自由記述に影響が多かったと思われます。
○問5「親が子どもを叱ることについて、あなたのお考えをお書きください」
①基本的な考えとして
・「叱るべき時にきちんと叱ること」は親としての責任であり大きな役割である。とはいえ、なかなか難しい。
・「自他の命にかかわること」「人を傷つけること(心も含めて)」「人に迷惑をかけること」などを叱らないわけにはいかない。
・𠮟るとは、親と子が互いに尊重し合い、言うべきことをきっちり言うことだと思う。
・暴力や仕置き(体罰)は絶対に避けるべきこと。
・「叱る」と「怒る」の区別をすることが大切である。とはいえ、実際にはなかなか難しい。
・親以外の大人に叱られることが少なくなった今、親がしっかり叱らなくてはと思う。
・叱ることは本当に必要。叱ることを悪とするような風潮が子育てを難しくし、親を追い込んでしまう。
・叱ることは必要ない。納得するまで話し合って、考え、教えていけば何でも解決する。
②叱り方について
・「すぐに」「短く」「後をひかない」を心がけている。
・叱る基準の軸を動かさないことが大切。
・頭ごなしに叱らない。子どもの考えや気持ちも聴くようにする。
・追いつめる、おさえ込むような叱り方はしない。
・まずは子どもの気持ちを聴くことが大切とわかっているが、一方的になりがち、反省。
・「叱る」と「怒る」は違うとわかっているが、真剣に叱っていると(興奮しているかな、怒っているかな)と立ち止まることがある。
・「よいことをしたらほめる、悪いことをしたら叱る」子育ての原点、やり方はその家庭なりに。
・「ほめること」と「叱ること」のバランスをその子なりに考えて、意欲を引き出したい。
・日頃の親子関係ができていれば、親の気持ちは必ず伝わると信じている。
③その他
・じっくりと子どもと向き合う時間がたりない。
・互いに相手を大切にする家庭環境・家族関係をつくることが第一である。
「叱る」と「怒る」の区別は、頭ではわかっていても実際の場面ではなかなかうまくいきません。日常の親子の関係づくりが大切なこともわかります。「親が子を叱ること」に反対する意見も一部あります。
おわりに
○ 「叱る」とは、理性的に子どもに対して諭す、戒め
ることです。「怒る」とは感情的に一方的に子どもをとがめること責めることです。
「叱る」つもりがいつの間にか子どもの反応や自分の言葉に酔って「怒り」へと進行する経験を多くの大人がもっています。子どもの年齢や発達段階、性格、気質によって受け止め方や反応は様々です。そこに親の期待に反した結果や反応を見ますと、失望したり不満足になったり怒りが増長したりします。それは親の規範意識(思考や認識の物差し)に左右されます。
○ 「叱ること」と「ほめること」は子育てにおいて表裏一体でしょう。子どもが「ほめられている」と感じているとき、しっかりほめること、「叱られている」と受け止めているとき、わかりやすく叱ることが大切だと思っております。仏教に「啐啄同時」(そったくどうじ)という教えがあります。その時の親子の呼吸や間合いが大切です。互いに関わりをもとうとする意志が働くことが大切ですね。そこには家庭環境(家族・人・住居・自然・精神)が整うよう努力を重ねてこられたご家庭の「文化」が必ずや生きております。
○ 5月17日の日経新聞夕刊で「『子に体罰』親の3割超」の記事を読みました。厚労省の調査結果です。
18歳以下の子どもに親が「しつけ」名目で、半年以内に体罰をあたえたという人が3割超いることが、厚労省の実態調査で明らかになりました。
育児のストレスと関係があります。コロナ禍が膠着する中、益々犠牲者が増加することが懸念されます。「子どものほほをたたく」「長時間正座させる」「夕食をあたえない」などの行為が目立ちます。
全国的に人材を育てる教育に偏向し「ひとを育てる」教育が軽視される今、すべての家庭に警鐘を鳴らす記事です。
ご一緒に考えてみましょう。
はじめに
○ 新型コロナウイルス禍は、家庭生活における親子関係に様々な影響を及ぼしていることでしょう。お宅さまは如何ですか?改めて親子の関係を見つめ直す機会をもたらす今、東京都の小学校・中学校の保護者を対象に調査が行われました(回答者:母親87%父親11%その他2%)。調査項目は5つです。
その結果報告です。どうぞお役立てください。
調査の実際は
○ 問1「ご自身を振り返ると、現在、叱るべき時に子どもをきちんと叱っていますか。次の4つの中から一つ選んでください」
①うまくいっている(7%)
②どちらかというとうまくいっている方だ(69%)
③どちらかというとうまくいってない方だ(21%)
④うまくいってない(3%)
特異な社会状況の中でも健全な親子関係が営まれている傾向の表れであります。一方後出の問5の「叱ることについての親の考え方」の回答と関連させると、ほとんどの家庭が何らかの課題を抱えておられます。
○問2「叱った理由について次の項目の中から3つ以内で選んでください」(選択肢10)
① ゲームに夢中、生活が乱れる(42%)
② 親との約束を守らない(35%)
③ きょうだい間のトラブル(34%)
:
⑩学校や学習塾での成績がよくない(4%)
ところが昨年度の子ども側への調査では上位3つは①学校や学習塾での成績がよくない②ゲームに夢中、生活が乱れる③きょうだい間のトラブルでした。 「叱る・叱られる」の理由に関わる親と子の意識の受け止め方の象徴として興味深いと思います。
○ 問3「叱ったことを子どもがこのように受けてめてほしいと思うことを、次の項目の中から3つ選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
①将来を考えて叱ることは大切(51%)
②自分のいけない所を直すのによい機会(46%)
③うるさいと思うけれど後でありがたい(35%)
このことから叱ったことが子ども自身の内面に深く受け止められ根付いていくことを願っている親の気持ちが推察できます。
○問4「子どもから親への願いです。親として受け止めるべきことと思うものについて次の項目から3つ以内で選んでください」(選択肢7) 上位3つです。
① 理由を聞かないで叱らないでほしい(61%)
② 親の疲れやストレスをぶつけないでほしい(47%)
③ たまにはほめてほしい(32%)
親として子どもを叱ることについての確認や見直
しのポイントとして、次の問5の自由記述に影響が多かったと思われます。
○問5「親が子どもを叱ることについて、あなたのお考えをお書きください」
①基本的な考えとして
・「叱るべき時にきちんと叱ること」は親としての責任であり大きな役割である。とはいえ、なかなか難しい。
・「自他の命にかかわること」「人を傷つけること(心も含めて)」「人に迷惑をかけること」などを叱らないわけにはいかない。
・𠮟るとは、親と子が互いに尊重し合い、言うべきことをきっちり言うことだと思う。
・暴力や仕置き(体罰)は絶対に避けるべきこと。
・「叱る」と「怒る」の区別をすることが大切である。とはいえ、実際にはなかなか難しい。
・親以外の大人に叱られることが少なくなった今、親がしっかり叱らなくてはと思う。
・叱ることは本当に必要。叱ることを悪とするような風潮が子育てを難しくし、親を追い込んでしまう。
・叱ることは必要ない。納得するまで話し合って、考え、教えていけば何でも解決する。
②叱り方について
・「すぐに」「短く」「後をひかない」を心がけている。
・叱る基準の軸を動かさないことが大切。
・頭ごなしに叱らない。子どもの考えや気持ちも聴くようにする。
・追いつめる、おさえ込むような叱り方はしない。
・まずは子どもの気持ちを聴くことが大切とわかっているが、一方的になりがち、反省。
・「叱る」と「怒る」は違うとわかっているが、真剣に叱っていると(興奮しているかな、怒っているかな)と立ち止まることがある。
・「よいことをしたらほめる、悪いことをしたら叱る」子育ての原点、やり方はその家庭なりに。
・「ほめること」と「叱ること」のバランスをその子なりに考えて、意欲を引き出したい。
・日頃の親子関係ができていれば、親の気持ちは必ず伝わると信じている。
③その他
・じっくりと子どもと向き合う時間がたりない。
・互いに相手を大切にする家庭環境・家族関係をつくることが第一である。
「叱る」と「怒る」の区別は、頭ではわかっていても実際の場面ではなかなかうまくいきません。日常の親子の関係づくりが大切なこともわかります。「親が子を叱ること」に反対する意見も一部あります。
おわりに
○ 「叱る」とは、理性的に子どもに対して諭す、戒め
ることです。「怒る」とは感情的に一方的に子どもをとがめること責めることです。
「叱る」つもりがいつの間にか子どもの反応や自分の言葉に酔って「怒り」へと進行する経験を多くの大人がもっています。子どもの年齢や発達段階、性格、気質によって受け止め方や反応は様々です。そこに親の期待に反した結果や反応を見ますと、失望したり不満足になったり怒りが増長したりします。それは親の規範意識(思考や認識の物差し)に左右されます。
○ 「叱ること」と「ほめること」は子育てにおいて表裏一体でしょう。子どもが「ほめられている」と感じているとき、しっかりほめること、「叱られている」と受け止めているとき、わかりやすく叱ることが大切だと思っております。仏教に「啐啄同時」(そったくどうじ)という教えがあります。その時の親子の呼吸や間合いが大切です。互いに関わりをもとうとする意志が働くことが大切ですね。そこには家庭環境(家族・人・住居・自然・精神)が整うよう努力を重ねてこられたご家庭の「文化」が必ずや生きております。
○ 5月17日の日経新聞夕刊で「『子に体罰』親の3割超」の記事を読みました。厚労省の調査結果です。
18歳以下の子どもに親が「しつけ」名目で、半年以内に体罰をあたえたという人が3割超いることが、厚労省の実態調査で明らかになりました。
育児のストレスと関係があります。コロナ禍が膠着する中、益々犠牲者が増加することが懸念されます。「子どものほほをたたく」「長時間正座させる」「夕食をあたえない」などの行為が目立ちます。
全国的に人材を育てる教育に偏向し「ひとを育てる」教育が軽視される今、すべての家庭に警鐘を鳴らす記事です。
ご一緒に考えてみましょう。
【小学校-校長室から】母の日
教 頭 松本 裕子
〇「あの花がいいね」「この色がいいね」5月9日は「母の日」でした。家の近くの花屋さんは、大盛況。子どもたちがお父さんや友達といっしょに思い思いに花を選んでいました。メッセージコーナーでは、お母さんに「いつもありがとう」と母の顔を思い浮かべながら書いている姿にたくさんの幸せをもらいました。翌日の全校朝礼では「わたしはぶどうの木」というヨハネによる福音書のお話を校長先生から聴きました。ぶどうの木は枝分かれしてたくさんの実をつけます。しかし、実をつけない枝は切られて捨てられてしまいます。神さまは「わたしはぶどうの木、あなたたちはその枝です。わたしについている人はよい実をつけます」とおしゃいました。そして、校長先生はぶどうの木をいのちの繋がりに例えられました。母の日に因んで、私たちがここにいるのは、お父さんやお母さんがいたから。お父さんやお母さんはそのまたお父さんやお母さんいたから・・・。この繋がりは何百年も前にさかのぼっていきます。だからいのちを大切にして、神さまの教えに耳を傾け、良い実をつけてください。その後の子どもたちのみ言葉作文には「私がここにいるのは、いのちのつながりがあったんだと気がつきました」「母の日にお母さんのお手伝いをしたら、お母さんがよろこんでくれたので、これからもお母さんが笑顔でいてくれるようにたくさんお手伝いをします」「神さまがよろこんでくれるように、良い実をつけたいです」子どもたちの素直な心の作文で、また幸せをもらいました。学校のマリアさまにもたくさんのお花をいただきまして、ありがとうございます。
〇数年前より、子どものコミュニケーション能力が低下していると言われています。要因として、社会環境や少子化などが挙げられていますが、ICT教育が進むとさらにコミュニケーション力が落ちるのではないかと危惧されます。
本校でも、一人一台のタブレット端末に向けて準備を進めておりますが、あくまでも学習を効率よく行うための手段です。タブレットを使いながらコミュニケーション力を高めなくてはいけません。教科のどの単元やどの場面で使うと効率がよいか。子ども同士、子どもと教師、子どもと他者などの関わりを考え、どのようにコミュニケーションが図れるか、研修を重ねております。
ご家庭では、インターネット機器をどのように用いておられますか。子どもの「子守り」「籠り」になっていないでしょうか。
〇今年度から「ことばの教室」が放課後開設されました。
日本語の美しさやことばや学習の基礎となる「読む」「書く」「話す」「聴く」を体験しながら習得する教室です。第1回目は、自己紹介。自分のことを紙に書いて、一人ひとり自分のことばで紹介しました。曜日によって人数は違いますが、約12名の子どもたちが参加し、楽しく学んでいます。
〇人は誰しもお互いの人格と人権を尊重し合いながら心の通う、共に育ち合う人間関係を築くことが大切です。そのためにコミュニケーション能力を身につけることが求められます。自分の事をことばで話すことが当たり前のようですが、今の子どもたちはなかなかできません。特に、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の気持ちを考えたりして話すことが苦手です。これは、体験が少ないことやその子の特性もあります。親は、子どもに人間的な関わりをもたなければいけません。子どもの話に目を見て話しを聴いていますか。子どもは目を見て聴いてもらえることで、ありのままの自分を受け入れてもらえたと感じます。そのことによって、子どもは自分の問題を解決することができます。学校は、それぞれの家庭文化を持った子どもたちの集まりです。ですから、学校は絶好の学びの場なのです。自分で解決できるように励ましてください。時間がかかったとしても、子どもを信じて「待つ」ことも大切です。これが、自立の第一歩になるのですから。 ♪マリアさまのこころ、それは青空。わたしたちを包む広い青空♪
お母さん、ありがとう!
〇「あの花がいいね」「この色がいいね」5月9日は「母の日」でした。家の近くの花屋さんは、大盛況。子どもたちがお父さんや友達といっしょに思い思いに花を選んでいました。メッセージコーナーでは、お母さんに「いつもありがとう」と母の顔を思い浮かべながら書いている姿にたくさんの幸せをもらいました。翌日の全校朝礼では「わたしはぶどうの木」というヨハネによる福音書のお話を校長先生から聴きました。ぶどうの木は枝分かれしてたくさんの実をつけます。しかし、実をつけない枝は切られて捨てられてしまいます。神さまは「わたしはぶどうの木、あなたたちはその枝です。わたしについている人はよい実をつけます」とおしゃいました。そして、校長先生はぶどうの木をいのちの繋がりに例えられました。母の日に因んで、私たちがここにいるのは、お父さんやお母さんがいたから。お父さんやお母さんはそのまたお父さんやお母さんいたから・・・。この繋がりは何百年も前にさかのぼっていきます。だからいのちを大切にして、神さまの教えに耳を傾け、良い実をつけてください。その後の子どもたちのみ言葉作文には「私がここにいるのは、いのちのつながりがあったんだと気がつきました」「母の日にお母さんのお手伝いをしたら、お母さんがよろこんでくれたので、これからもお母さんが笑顔でいてくれるようにたくさんお手伝いをします」「神さまがよろこんでくれるように、良い実をつけたいです」子どもたちの素直な心の作文で、また幸せをもらいました。学校のマリアさまにもたくさんのお花をいただきまして、ありがとうございます。
〇数年前より、子どものコミュニケーション能力が低下していると言われています。要因として、社会環境や少子化などが挙げられていますが、ICT教育が進むとさらにコミュニケーション力が落ちるのではないかと危惧されます。
本校でも、一人一台のタブレット端末に向けて準備を進めておりますが、あくまでも学習を効率よく行うための手段です。タブレットを使いながらコミュニケーション力を高めなくてはいけません。教科のどの単元やどの場面で使うと効率がよいか。子ども同士、子どもと教師、子どもと他者などの関わりを考え、どのようにコミュニケーションが図れるか、研修を重ねております。
ご家庭では、インターネット機器をどのように用いておられますか。子どもの「子守り」「籠り」になっていないでしょうか。
〇今年度から「ことばの教室」が放課後開設されました。
日本語の美しさやことばや学習の基礎となる「読む」「書く」「話す」「聴く」を体験しながら習得する教室です。第1回目は、自己紹介。自分のことを紙に書いて、一人ひとり自分のことばで紹介しました。曜日によって人数は違いますが、約12名の子どもたちが参加し、楽しく学んでいます。
〇人は誰しもお互いの人格と人権を尊重し合いながら心の通う、共に育ち合う人間関係を築くことが大切です。そのためにコミュニケーション能力を身につけることが求められます。自分の事をことばで話すことが当たり前のようですが、今の子どもたちはなかなかできません。特に、自分の気持ちを相手に伝えたり、相手の気持ちを考えたりして話すことが苦手です。これは、体験が少ないことやその子の特性もあります。親は、子どもに人間的な関わりをもたなければいけません。子どもの話に目を見て話しを聴いていますか。子どもは目を見て聴いてもらえることで、ありのままの自分を受け入れてもらえたと感じます。そのことによって、子どもは自分の問題を解決することができます。学校は、それぞれの家庭文化を持った子どもたちの集まりです。ですから、学校は絶好の学びの場なのです。自分で解決できるように励ましてください。時間がかかったとしても、子どもを信じて「待つ」ことも大切です。これが、自立の第一歩になるのですから。 ♪マリアさまのこころ、それは青空。わたしたちを包む広い青空♪
お母さん、ありがとう!