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  福岡海星女子学院高等学校 福岡海星女子学院附属小学校 福岡海星女子学院マリア幼稚園  

【小学校-校長室から】2021年度 さあ共に歩みましょう

校長 山 田 耕 司

重ねる・つなぐ・聴く
○ 学院の桜並木に朝日が映え、神さまの愛に包まれた光が、子どもたちを迎えています。私たちは新型コロナウイルス蔓延に全力で対応します。背振山系からの緑風に春が運ばれ、ガイアの森の緑と老司大池の水面に囲まれた自然豊かな海星の1年がスタートしました。       
38名の新1年生(54回生)が神さまに招かれて入学してまいります。在校生205名(男子123名 女子82名)となります。
校舎2階部分の空調機交換、電子黒板の導入、タブレットの全児童配付等施設設備の充実を図り先を見る教育を進めてまいります。
○ 子どもの育ちの上で大切なのが「子どもの総合的な育ちに大人が心や精神を重ねる」ことです。神様から一人ひとりに与えられたタレントが育つ様子に参加しましょう。きっと楽しませてもらえますよ。
個性あふれる子どもたちが広々とした自然と神様の愛あふれる環境の中で走り回り跳び回ります。時には衝突も起こります。その時は「子どもと子どもをつなぐ」ことです。海星ファミリーとして育てます。
大切にしたいのは子どもの言葉や態度や心に「聴く」ことです。大人は話す、話したいですね。でも先ずはじっと聴いて待ちましょう。
○ 本格的に小学校英語教育やICT教育・プログラミング教育が始まります。次の10年に向けての新たな時代の2年目です。  
先を見る教育を進めております本校ですが、更に充実した子どもたちが意欲的に学校生活を学び楽しむ1年間を進めてまいります。本年度も本校教育へのご理解ご協力ご支援を何卒よろしくお願いいたします。

一人ひとりが楽しい学校
① 基本的な学習習慣・生活習慣を確かに身につける教育にさらに力を入れます。個人によっては上学年も個人課題として取り組みます。
o1・2・4・5年生のクラス担当は二人です。
o1・2年生の国語・算数、4年生算数は2グループに分かれて別教室で行います。
o1年生より毛筆(国語)を行います。
本校は字を丁寧に書こうとする基本的学びを大切にします。字は心の写しです。ICT教育の時代だからこそ本校は力を注ぎます。                           
o気持ちよく「はい」と返事をして速やかに行動する。
o服装がきちんとしている。身奇麗にしましょう。
o宿題を丁寧にきちんとする。やるべきことをやりましょう。個別の習い事よりも大切です。
o自分から心も笑顔で挨拶がきちんとできる。挨拶は心の鏡です。      
oスクールバスや西鉄バス、電車の中で人に迷惑をかけず、さわやかな 空気を醸し出す。
小さな子どもですが、マナーを身につけます。海星ファミリーです。 
oいじめ・いじわる・乱暴・仲間はずしに手をそめない。すぐに先生に相談をしましょう。
その原因となりやすいSNSやスマホ、パソコン・ゲームのやり過ぎ等にも手をそめない。
② 読書の習慣を十分に身につけるため、学校に慣れた2年生を対象 に「2年生100冊読書」、全校朝読書の時間、卒業までに「海星100冊」達成を進めています。司書教諭岡﨑先生を中心に保護者ボランティアの方々と「おはなしや」の活動を促進し、こどもたちに喜ばれております。                                            
③ ガイアの森の活性化を進めるために「ぼくの木 わたしの木」の植樹を継続します。
JAと提携して学級園・学校園で野菜の栽培等に励みます。 
④ 学院の認定こども園マリア幼稚園との幼稚園小学校連携教育を進めます。
学校行事・学年行事・生活科及び総合的な学習等で積極的に交流を図ります。
⑤ 学院の高校との連携教育を進めます。学年行事等に「こども教育進学コース」の生徒が参加します。英語活動に英語が得意な「国際教養コース」の生徒が参加します。
⑥ 4~6生はマリアンタイム(火・木曜日13:10~13:35)で、合唱・英語・ICT・読書の4クラスに分かれて得意を伸ばす楽しい活動に取り組みます。校内英語暗誦コンクールがあります。
⑦ 放課後に「English Box」(3~6年生対象) と「ことばの教室」(主に1~2年生対象)を開きます。

 新担任です
○ 本年度は下記の担当で楽しく教育活動に取り組みます。どうぞよろしくご理解ご支援をお願いいたします。
〈担 任〉
1年担任:  ?     ?   2年担任:只隈 朋美・米倉 信彦 3年担任:音成 桂子 
4年担任:中村 章耶・佐藤 一則 5年担任:冨田健一郎・藤嶋 明彦 6年担任:福永 俊文            
〈専 科〉
理事長:嶋田 吉勝    校 長:山田 耕司    教 頭:松本 裕子   宗教主事:米倉 信彦
教 務:福永 俊文    養 護:馬場 萌夏・松本 裕子   学校司書:岡﨑 陽子  
理 科:中村 智彦   図 工:松永 吉海   音 楽:加留部 夕佳   毛 筆:立和田 典子 
英 語:武内 章子・エリングソン スクールカウンセラー:大庭 三奈  剣 道:宮下健一郎・森 香織
  事 務・ことばの教室:奥添 亜希 用 務:藤 つちの・山本 洋子・寺田 民子

1学期の主な行事
【4月】
 4日 イースター(復活祭)
6日 始業日
9日 入学式
12日・13日 NRTテスト
15~17日 身体測定
23日~5月1日 授業参観・
学級懇談会(学年分散)
27日 全国学力・学習状況調査
【5月】
7日 三校避難訓練
7日~新体力テスト
11日 マリア様のミサ
12日 1,2年交通安全教室
18日~3,4年水泳学習
25日~26日 修学旅行
31日~18日 個人懇談(放課後)
【6月】
1日~1,2年水泳学習
3日 5年農村体験(1日)
8日~5,6年水泳学習
12日 み心のつどい
夏の公開参観日
14日 平和を考えるつどい
16日~ 1~3年夏季体験学習(1日)
25日 4年サマーキャンプ(1日)
【7月】
10日 入試説明会(一般対象)
20日 終業式
21日~8月24日 夏休み

2学期・3学期の主な行事
【8月】25日 始業式 【9月】19日 ファミリースポーツデー(運動会) 
【10月】3日 愛校バザー
【11月】13日 マラソン大会 【12月】11日 クリスマス会 21日 終業式 25日クリスマス 22日~1月6日 冬休み
【1月】7日 始業式 15日~16日 一般入試面接 22日 一般入学試験 【2月】14~19日 学芸会(学年別)
【3月】4日 6年感謝のミサ 15日 卒業式 18日 修了式(1~5年生)

*学校行事の日程は、新型コロナウイルス感染拡大の状況によって、変更する場合がございます。

【小学校-校長室から】聖ヨゼフさまの年

教 頭 松本 裕子

〇いよいよ明日は、第48回卒業式です。6年間、海星で学んだ32名の子どもたちが巣立って参ります。今年は、コロナ禍で6年生にとって最後の行事が中止となることがあり、寂しい思いでした。
しかし、そんな中で保護者の皆さまのご協力により愛校バザー、修学旅行、マラソン大会、クリスマス会、送別レクリエーションを形を変えて実施することができました。とり分け、海星のルーツを探る修学旅行は実り多い旅となりました。旅の最後のまとめとなる熊本の修道院への訪問は叶いませんでした。
〇3月6日にシスター入江とリモートで繋ぎ、6年生へ本校の修道会創設者の精神をお話いただきました。
今から122年前コール神父さまの要請によりハンセン病患者のお世話のために日本に派遣された若い5人のシスターのお話は「地の塩285号」でもいたしました。かつて「待労院」に若い神父さまがハンセン病の患者さんと関わりをもつために実習に来られていた
そうです。車いすを押したり、食事を一緒に食べたりお話相手をされたりされました。
ある時、ひとりの患者さんが神父様に言われます「いつもよくしてくれてありがとう。でも、一度も一緒にお風呂に入らなかったね」神父さまは「手伝ってあげてた。やってあげてた」と思っている自分に気づき、自分の生き方が『神さまが言われる「友と呼ばれる関わりをしているだろうか』と問います。そして、悩んだ末に南アフリカのエイズ患者のお世話の場に身を置き、長い間、その方たちと共に生活をし、結核になり亡くなられました。その方は、フランシスコ会の根本神父さまです。
〇みなさんは、ここまで元気で自分ひとりで大きくなったと思っていませんか。何でもできる環境があり、たくさんの方々のおかげで健康に暮らすことができます。今あることに感謝しましょう。根本神父さまのように「これでいいのか」と自分を振り返る力を持った人になってください。
〇昨年の12月8日から今年の12月8日まで、カトリック教会では、聖ヨゼフがカトリック教会の保護者として宣言されてから150年を迎えた年とし「ヨゼフ年」としました。ヨゼフさまは、イエスさまの養父として知られていますが、聖書中ではあまり記されていません。マリアさまの許嫁でありましたが、結婚前にイエスさまを授かり、養父となります。大工の仕事をしながら生計を立てますが、当時の暮らしは貧しいもので、目立つことなく生きた方です。
マリアさまが臨月を迎えた際、マリアさまを気遣い宿屋を探します。決して自分の気持ちや欲望を言ったりせず、マリアさまのために動かれ、神さまの声に聴き従った方です。
ヨゼフさまがわたしたちに示した生き方とは、日々の困難を耐え忍び、決して目立つことのない「普通のひと」「正しい人」の大切さを強調しておられるのではないでしょうか。イエスさまの教えで一番大切な教えは「愛」です。
『わたしは新しい掟をあなたたちに与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたたちを愛したように、あなたたちも互いに愛し合いなさい。ヨハネ13章34(卒業式に朗読される聖書の箇所です)』
〇今年は桜の開花が例年より早く、学校の桜も咲き始めました。また、1年生テラスのチューリップもかわいい花を咲かせています。シスター入江は小さい頃に、なぜこの土の中から赤や黄色の花が咲くのか疑問を持たれたそうです。チューリップの球根は大気の気温や地熱を感じながら土の中で花を咲かせる準備しています。みなさんは、どんな土の中で植えられ、大きくなったのか考えてみましょう。海星のルーツの良い土に蒔かれたことを振り返り、自分だけの大きな花を咲かせてほしいと祈っています。
〇6年生のみなさん、6年間たくさんの方々の愛をいただき卒業をしますね。明日、立派な姿で感謝の気持ちを表してほしいと願っています。
ご卒業おめでとうございます!

【小学校-校長室から】歪みと回心

   校 長 山田 耕司
キリストの受けた試み
○カトリック教会(キリスト教会)では、イースター(復活祭)の前40日間を四旬節として過ごします。
イエスはヨルダン川で洗礼者ヨハネから洗礼を受けた後、荒れ野で試みを受けられます。(マタイ福音書4章1~11節) イエスが40日40夜断食をして飢えておられた時、試みる者が近づき、イエスに「もし、あなたが神の子なら、これらの石がパンになるように命じなさい」と言います。イエスは「人はパンだけで生きる者ではない。神の口から出るすべてのことばによって生きると書き記されている」と仰せになります。
○イエスは自己領得の時間を40日もかけて行いました。すべてを削って自分自身を見つめ、追究しました。キリスト者はこのイエスの行動に倣います。イエスはその後宣教に出かけます。そして4人の漁師と出会います。最初に弟子に召された4人はシモン(ペトロ)とアンデレ兄弟、ヤコブとヨハネ兄弟でした。
四旬節と「回心」
○35年前私のパナマ(中南米)での経験です。その頃文部省の派遣で私は家族を同伴してパナマ日本人学校に勤務していました。リオ・デ・ジャネイロ、ベニス、ニューオーリンズのカーニバル(謝肉祭)は有名です。コロナ禍でなければ今年も多くの観光客で賑わったことでしょう。
 中南米の各国でもカーニバルがあります。その翌日から四旬節が始まります。パナマ市の大通りは閑散とし人通りがピタッと止まりました。人々は自宅で静かに時を送ります。名物の串焼き屋もいません。スーパーの精肉コーナーの品数が極端に減り魚の陳列が増えました。この状況が復活祭まで40日間続きました。
教会では特別に信徒が集まってロザリオの祈りや十字架の道行きの祈りを唱えます。黙想会が行われ告解の秘跡が授けられます。このように静謐の時間が流れます。人々は歪みに歪んだ自分自身を時間をかけてキリストの教えに本来の自分の良さに戻そうと試みます。これを「回心」と言います。
私たちはいつの間にか人間が求める自由とか快適とか所有とかの幸せ感に支配され歪んできたようです。歪みはさらに歪みを生みました。自分の力だけでは解きほぐせなくなりました。
○子どものころの話です。家族で一緒に「夕の祈り」の時間をもちます。平常ですと15分くらいですが四旬節は特別の祈りが追加され30分くらいに延長されます。正座で過ごす祈りは小中学生には苦痛の時間となります。しかし子どもなりに自分の歪んだ心を40日間かけて解いていきます。
海星ファミリーの「回心」の季節
○学年末です。お子様の1年の成長をご家族で見つめお互いに「回心」されることをお勧めします。学年が進んできますといろいろな悩みが増えてきます。友達関係、進路、家庭の文化や子どもの遊び。個性があればもっている物差しも異なります。夫婦であっても親子であってもなかなか思う通りにはなりませんね。
まもなく校友会誌「ひかり48号」が発刊されます。全児童の作文・俳句、保護者・卒業生のエッセイもあります。これも一つの「回心」です。海星ファミリーの一人ひとりが歪みに気づき「回心」への作業を進めます。
○イエスの父ヨセフはどんな方だったのでしょう。
ヨセフは聖書や聖伝にその記述が詳しくないので私はその有様をよく思い巡らしています。いつもそこに登場するのが自分の父であり義父(家内の父)であります。故人ですので夢の中にも登場してくれます。
ヨセフは日銭大工でした。イエスとマリアを保護・養育することに静かに務めたようです。子どもたちがいて先生がいて保護者の方がいて、学校での校長職はこのヨセフと重なると思い、日々を過ごしております。
○今年のイースターは4月4日(日曜日)です。海星は満開の桜に包まれます。1年生が記念樹に実を着ける桃を選びガイアの森に植えました。
そしてまた新しい1年がスタートします。

【小学校-校長室から】こうのとりのゆりかご

教 頭 松本 裕子

〇今年1月25日の全校朝礼は、「クリスマス募金の贈呈式」でした。昨年の11月16日~12月15日までの1か月間、運営委員会を中心にクリスマス募金を行いました。今年度の募金は、本校と縁のある熊本の「慈恵病院にある【こうのとりのゆりかご】」の支援のために行いました。たくさんのご協力ありがとうございました。贈呈式には、前校長のシスター入江とリモートで繋ぎ、慈恵病院の取り組みである「こうのとりのゆりかご」についてお話を聴きました。
〇慈恵病院の始まりは、本校のルーツと深い関係があります。1889年(明治22年)ジャン・マリー・コール神父さまが熊本・筑後地区に派遣され、熊本市の手取教会を作られたことから始まります。コール神父さまは、フランス出身で26歳の時に長崎に来日。その後、大日本帝国憲法の発布により、信仰の自由が保障されると、ただちに熊本へ派遣されます。そこで本妙寺周辺でゴザを敷き治療を受けずに寝転がっているハンセン病の人たちを見て、教皇庁やフランスの修道会に救助要請をします。すぐに「マリアの宣教者フランシスコ修道会」マリー・ド・ラ・パシオンが5人のシスターを派遣します。マリー・ド・ラ・パシオンは、本学院修道会の創立者です。派遣された5人のシスター方は、献身的にハンセン病患者の治療にあたります。1898年(明治31年)ハンセン病の病院「待労院」が設立され、翌年、捨てられた乳児を収容する「聖母愛児園」を開設。1915年には「聖母の丘老人ホーム」を設立しました。そののち、貧困で治療を受けられない人たちのために「施療院」を設立。これが発展して1952年(昭和27年)に慈恵病院となります。
〇「マリアの宣教者フランシスコ修道会」は、聖フランシスコの精神を受け継いでいます。その精神は、慈恵病院へも受け継がれています。
 
  理解されることよりも 理解することを
  愛されることよりも 愛することを
  人は自分を捨ててこそ 受け
  自分を忘れてこそ 見出し
  赦してこそ 赦され




〇1978年慈恵病院の運営を修道会から任された蓮田太二先生は、産婦人科医でした。病院で妊婦さんと赤ちゃんの命に向き合う中、お産に問題を抱えるお母さんを何とか支援できないか、赤ちゃんの遺棄事件が後を絶たない日本の社会に課題を持たれます。 まずは、24時間「SOS赤ちゃんとお母さんの相談窓口」を開かれます。出産への啓発や相談に力をいれても、お産がすべて万全なわけではなく、何年に一回は危険を伴う出産を経験されます。そのたびに、頭を垂れ祈られます。お産を援助して誰ひとりとしてお母さんを失わなかった奇跡に感謝し、先生は1998年にカトリックの洗礼を受けられます。
〇「こうのとりのゆりかご」が開始されたのは、2007年5月10日。ここに至るまでには、政府や社会から大きなバッシングを受けます。当初「赤ちゃんポスト」の名前が先行し、「ポスト」のイメージが郵便物を投げ入れるもの。「赤ちゃんを無責任に投げ入れるなんて子捨てを助長することになる」「母親はどんなに苦しくても育てるのが当たり前」「今後の子どもの将来はどうなる」私も当時の報道を鮮明に記憶しています。
〇蓮田太二先生は、昨年10月に84歳でお亡くなりになりました。現在、蓮田先生の息子さんが病院を受け継がれています。蓮田太二先生は、155名の赤ちゃんの命を助け、養子縁組は300件以上になりました。「どの子もかけがえのない子であり、人類の歴史を作る誇り高い存在。何よりも命が大事、命を助ける」と言い続けられました。
〇本校の修学旅行は、この熊本の地が「ルーツを探る旅」の最終日となります。「こうのとりのゆりかご」も見学します。今年は、コロナ禍で訪問することができませんが、リモートで熊本の修道院と繋ぎ、シスター入江からお話を伺おうと計画しています。

【小学校-校長室から】民主主義の国ニッポン

校長 山田 耕司

民主主義と社会科
○ アメリカの大統領選挙をめぐる一連の動きは民主主義について熟考させられました。バイデン新大統領はその就任式で旧約聖書詩編30章6節を引用し、Biblesays weeping may endure for a night but joy cometh in the morning.(夕べは涙のうちに過ごしても朝には喜びの歌がある)と唱えました。バイデン氏はコロナ禍の今、民主主義と権威主義の選択に揺れるアメリカで苦難のうちにかじ取りを託されました。  From division to unity (分断から結束へ)が、key wordだそうです。演説の中では「民主主義」が11回使われました。これは対岸の火事ではありません。ニッポンも同じ課題を共有します。
○ 75年前日本は新しい国づくりに向かって歩み始めました。明治以降数回の戦争を乗り越え、「国民の国民による国民のための社会をつくる」民主主義国家を目指すことになりました。そして、その基盤である市民育成のため学校教育に「社会科」を創設しました。小学校・中学校社会科教育は民主主義教育の要として期待されました。
小学校6年生社会科を学ぶ
○ 小学校最終学年6年生の社会科では、日本の政治と歴史、世界の国々との関係について学習します。
国や県・市の政治はどんな考え方にもとづき、どのように進められているのか、歴史上の人物のどのようなはたらきによって今の世の中がつくられてきたのか、日本は世界の国々とどのような関係をもっているのかなどを探求していきます。
○ これは、日本の世の中の今を、過去にさかのぼり、未来や世界にも目を向けて、広い視野から深く考える学習になります。今の社会のしくみやその基本となっているきまりは何か、それらはどのような歴史をへて形づくられてきたのか、日本は世界の国々とどんな関係にあり、世界の国々から何を期待されているのかなどを考えていく学習を主体的に展開します。その過程で先生や友だち・人々の支援を受け知識・思考・能力・態度・行動を醸成していきます。
この社会科学習を体験しますと、子どもたちは社会生活の基本となっているきまりやしくみ、今の世の中へと発展してきた日本の歩み、世界の国々との関係などについて、より広く、深く考えることできるようになります。そして、日本に暮らす国民、ひととして自覚が芽生え、政治や社会に参加し、共に課題を解決していくことが期待されます。
欧米にみる民主主義
○ 少子化・高齢化が進む中、欧米に倣って若者の政治参加を求めて2016年から18歳の選挙権が導入されました。国や社会は主体的に政治を担う若者が増えてほしいと願います。しかし、投票率には一向反映されません。高校での「主権者教育」(シチズンシップ教育)が叫ばれるばかりです。彼らには小学校の時からの主体的に学ぶ社会科教育が不十分だったのでしょうか?
○ 本年より大学入試制度の改変が行われました。
欧米では日本のように定期テストがある国は殆どありません。大学入学資格試験が記述式・面接式であるため、高校生は自分の解答に至る考えを論理的に説明する学び(訓練)を重ねています。大学受験者の数が異常に多い日本式の知識の量を問う試験とは異なります。自分で課題を見つけ出し、解決していく力が求められます。ここでは小学校からの主体的課題解決学習の体験が生きてきます。塾や机上だけでの「暗記したことを解答用紙に書く知識偏重型の日本のテストのあり方は国際社会では通用しない」と千代田区麹町中学校の校長は指摘します。
○ 現在もっと人間性を豊かにする教育を文科省は目指します。それには先ず教育環境の保証です。子どもが子どもらしくのびのびと育ち自分を発見し見つめ醸成できる学校です。次に教師が自らの教育力を向上させる学校研究の必然です。まさに「教育は人なり」。そんな学校に民主主義に生きる子どもたちが育ちます。